11/44 ザ・パワー・オブ・ザ・ハート

ある日、私は友人に本を紹介した。コロナウイルスの世界的流行により、彼女は休職している。その彼女から先日テキストメッセージが送られてきた。

訳してみると

”紹介してくれた本を読み終わったの。この本から私はたくさんのメッセージを得ました。そのメッセージから、私はアジア人の女性の心に寄り添い、その心の声に従うためのサポートを始めることにしました。そして、これから仕事に復帰した際には、もっとクリエイティビティを加えたプログラムを提供するわ。”

私が紹介した本が、彼女の人生や仕事を見直すことに繋がったことを心から嬉しく思い、彼女の新しいスタートを祝福したいと返信した。

本日は、彼女に大きな影響を与えた本

『ザ・パワー・オブ・ザ・ハート 人生の本当の目的を探して』バプティスト・デ・パペ著 山川 紘也・亜希子訳

この著者は、誰もが認めるキャリアを目前にして、用意されたキャリアと周囲の期待よりも、自分の心の声に従うことを選択した著者の話である。

私たちの心臓は、胎児の時から死ぬまで休むことなく働いている。この心臓の力は遥か昔から研究されていて、生命の維持だけでなく、予兆を知らせ、私たちに静かに身を守る選択を導いている。

この著者は、様々な専門家と対話を重ねる中で、自分の心を開き、自分の人生を生きることの大切さを伝えている。

”心の声を聴く”

分かっているけれども、親や周囲の期待に応えること、周囲から変人に思われないよう、長く無難に生きていた私には、頭では分かっているけれども、本当にいいのだろうか?と居心地の悪さを感じるところもあった。

しかし、私はこの本を読み終える時に、「私としての人生は一度きり、もっと心を開き、心の声に従う勇気を下さい。」という祈りをつくっていた。

心の声を聴くと決め耳を澄ませてみると、ちょっとした声が私に囁いているように思える。

「今日は美術館に行きたい。」「チョコレートが食べたい。」ちょっとしたことから、「このプロジェクトは打ち切りにしよう。」という重要なことまで、なんとなく聞こえたり感じたりするようになってくる。

実際にこの声にどんな小さなことでも従ってみると、納得する結果が得られることが度々あり、自分で生きている、自分で責任を取っているといった、地に足がついているような気持ちになった。

すぐに答えが出なくても、気づいたら、やはりこの仕事は辞めて良かったと納得できることもたくさんあった。

もし、心の声に従ったにも関わらず、自分が理想とする結果がすぐに得られなかったとしても、より良い方に向かう学びの過程であると思う。そう思いたい。

美術館に行きたい、チョコレートを食べたいというあまりにも小さな声は、無視しても問題はないように思えるが、実は、このような小さな声を聴くことは、自分自身とより良い関係を築くためには非常に重要なことであり、このなんとなく聴こえる声を無視しないことが、自分の壮大なる人生を切り開く心の声と繋がる一歩なのではないかと思う。

翻訳者は、日本の読者向けに精神性の分野の本を数多く翻訳している山川 紘也氏と亜希子氏である。彼らは著者に忠実に翻訳をしていると思うが、日本の読者がより理解できるよう翻訳に配慮を感じる。

私は、まだまだ精神性の旅の始まりである。この著者が提案する心の旅の始まりにすぎない。

ある人がこう言っていた。

「人生はジャーニーである。トリップだったら、道筋は決まっているけれどもジャーニーに決まった道筋はない。」

人の評価で生きるのも人生、自分の心の声を聴き自分の人生を選択するのも人生。

もし少しでも、現状を変えたい、自分の人生ってなんだろう?自分に正直に生きたいと願う人におすすめしたい。


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