花のラブレター
君の事を見ていると
まるで色んな花の蜜を求めて飛び回る
自由な蝶々みたいだって思う
一箇所の花には留まらず
色んな花の蜜を
その甘美な味を求めて
綺麗なその羽を羽ばたかせながら
美しく飛び回る
君のその綺麗な口で
蜜を吸われたがる花はたくさんいて
僕もその中の一つ
君の様に煌びやかな外見もなく
みすぼらしい花だけれど
いつかあなたが蜜を吸いに来てくれると
懸命に花を咲かせようとしている
もしかすると
君が来る頃には
僕は枯れ果てて
形すら残っていないかも知れない
それでも
君が色んな花達の間を飛び回る
その美しい姿を見ていられるだけで
僕は幸せだし
花も咲かせ続けられる
そして君は
いつか大好きな花を見つけて
その花の上で羽を下ろして
静かに眠るだろうね
そしてその花は僕じゃない
それでももし
天気の良い穏やかな丘で
少し不恰好だけど元気に咲いている
そんな花を見かけたら
僕を思い出して
少しだけ羽を下ろして
蜜を吸って欲しい
そんな花のラブレターが
風に乗って
ふわりと何処かへ飛んでいった…
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