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結成5周年!ガールズの音楽を今、改めて考える。

祝☆ガールズ結成5周年!
というわけで、管理人が以前アメブロであげた独自の「がるらき論」を少しアップグレードして以下に再喝します~。

俺のがるらき論~カウンターカルチャーとしてのGirls²とLucky²

アメブロより 2023年10月9日投稿


BTSが何故ここまで若者を中心とした多くの人々に支持されているのか?

考えられる理由として、以下、山本浄邦氏の著作「K-POP現代史 ―韓国大衆音楽の誕生からBTSまで」を引用する。

現代を生きる若者たちはなぜBTSの歌詞に慰められるのであろうか。
その理由の一つは、新自由主義的な競争が激化し、他者による評価で自身の価値を測ろうとする習慣がいつの間にか身についてしまったからではないだろうか。(中略)韓国コンテンツでいえば「イカゲーム」のような状況に(若者たちは)放り出されているわけだ。他人が設定したゲームのなかで生き残る者、殺される者が決められ、隣人が自分のすぐ横で血を流して倒れていてもみないふり。(中略)自分たちで「こんなのおかしい」と思っていても、横から誰かが「そんなこと言っていたら生きられない」と語りかけてくる。(中略)このような時代にBTSは「自分を愛すること」の大切さを説く。(中略)「自分は一人じゃない」「自分はここにいていいんだ」そんな声をK-POPが伝えている。そして人々を分断するさまざまな社会的イシューに異議申し立てをする。

「K-POP現代史――韓国大衆音楽の誕生からBTSまで」/山本浄邦 (著)/ ちくま新書


これを読んだとき、この著者のBTS論を飛躍させてがるらきを語ることも可能なんじゃないか、と思った。

何故なら、がるらきもまた激化する現代の競争社会において、したたかに「NO」を唱えているアーティストグループだからだ。

例えばガールズの「LETTERS」では、幸せや笑顔を「分け合おう」という歌詞が幾度も登場し、「Girls Revolution」では「One for all, All for one(一人はみんなのために。みんなは一人のために)」というフレーズから曲がスタートする。

また、ラキちゃんずの「神様Noでも僕らはYes」ではサビにおいて「君がもし負けそうな時、挫けそうになった時は、何時だっても、何度だってそう、側にいてあげる」とファンにエールを送る。

このように、常に「共有」や「支え合い」というテーマが根底に流れているのが、がるらき音楽の特徴だ。

そして、この特徴こそ管理人ががるらきに対して感じている魅力でもあり、今の日本に必要なメッセージだと思うのだ。

韓国に限らず、現代の日本もまた行き過ぎた合理主義が浸透し、あちこちで分断が引き起こされている。

富の再分配は明らかに狂い、一部の権力者、資本家が富を独占するようになった。
ネット上では「自己責任論」や「弱者の切り捨て」を吹聴するインフルエンサーが増えた。(上記のイカゲームをはじめ、デスゲーム系コンテンツが流行っているのもそんな時代を反映してのことだろう)

他者を蹴落とし、利益を独占しろ。ただし失敗したら自己責任。誰も助けてはくれない。

そんな寒々しい価値観が蔓延する中で、がるらきは「他者と手を取り合うこと」「分け合うこと」の大切さを力強く歌い上げる。
戦争、差別が蔓延した時代にビートルズが「愛と平和」を歌った時のように。

こんなことを書くと青臭いと思われるかもしれないが、管理人は今の冷たい社会に心底ウンザリしているし、「他者をいたわる」気持ちがこれからは何よりも必要になってくると考えている。

だって、少なくとも自分は自分の身に何かあった時周りの人に助けてもらいたいし、そのためには自分自身も周りの人に対して寛容にならなければいけないからだ(それに社会とは、本来そういうものではなかったか?)。

そう考えると、がるらきってロックだ。
彼女らが通常のアイドルグループとは一線を画す理由がここにある。
ただカッコいいだけではない。ただ可愛いだけではない。

One for all, All for one(一人はみんなのために。みんなは一人のために)

そんな優しい未来に向けての希望が、がるらきの音楽には詰まっているのだ。

◆参考文献
「K-POP現代史――韓国大衆音楽の誕生からBTSまで」/山本浄邦 (著)/ ちくま新書


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