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ノンバイナリ―スタイルブック。

今までありそうで、なかった本。
そんな本って、結構世の中に多いと思います。

週末の書店をぶらぶらしていて、思いがけず「これだ!」と声が出てしまった一冊。

山内尚さんの『ノンバイナリ―スタイルブック』(柏書房)。

まさに、こんな本が欲しかった。もっと早くに出会いたかった。
そう思わされる、典型だと思います。



最近は、ジェンダーに関する本も、まあまあ出ています。
だから、「ノンバイナリ―」について書かれたものも、なくはありません。

でも、学術的に研究したり、時事的に批評する本も、もちろん大事だと思うけど、その前に、もっと必要なものがあるのでは。

そう、ノンバイナリ―って、そもそも生き方であり、スタイルのことですよね。

だから、そのコンセプトを絵的にずばりビジュアルとして表現することなくしては、外から認識するのは難しいと思います。

それを、まさに真正面からやっているのが、この本。
リアルで書店で出会った瞬間、もう、感動ものです。


山内尚著『ノンバイナリ―スタイルブック』(柏書房)


まず目に飛び込んでくる表紙からして、めちゃめちゃ可愛いですよね。
これはノンバイナリ―うんぬんに関わらず、思わず手に取ってしまいます。

著者の山内さんは、ノンバイナリ―当事者の漫画家。
いくつかの連載や単行本の仕事をされていますが、とてもビビッドで華麗で特徴的な画風が、印象に残ります。

この本は、エッセイ&漫画でもありますが、その骨格となっているのは「スタイルブック」。

要は、著者のファッションについて自らビジュアル化してまとめた、スタイル集。

ペラペラめくるだけで、もう画期的です。



「ノンバイナリ―」ってなに?

そんな質問を受けたら、迷わずこの本を見せたらいい。

フルカラーで、とってもリアルで魅力的な絵がつまっているので、理屈ぬきにとにかく可愛い。

いくつかのスタイルを自然と眺めるうちに、このモデルが男性なのか、女性なのかなんて、もうどうでも良くなっていく。

性別、性差なんて関係なく、とっても魅力的だし、まさに「この人」のファッションの世界になっている。

これこそが、「ノンバイナリ―」の生き方なのでしょう。



いろいろ考えなくても、シーズンやシチュエーションごとのファッションイラスト集として重宝する一冊。

結果的に、男らしさとか女らしさにとらわれず、自由に自分を表現するリアルなファッションってこれだ!と膝をうつことでしょう。

男性だってスカートが似合うし、女性だってタキシードがダンディーだし、そもそもどっちでもなくても、ファッション自体はぜんぜん問題ない。

その深さ、面白さを、なにより説得力ある絵で教えてくれることに、心で感動します。

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橘亜季@『男はスカートをはいてはいけないのか?』の著者
学生時代に初めて時事についてコラムを書き、現在のジェンダー、男らしさ・女らしさ、ファッションなどのテーマについて、キャリア、法律、社会、文化、歴史などの視点から、週一ペースで気軽に執筆しています。キャリコンやライターとしても活動中。よろしければサポートをお願いします。

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