管新総理と女性活躍推進。

管義偉氏が新しい総理大臣に就任しました。
安倍前総理が病気で退任したという事情もあってか、支持率はかなり好調な滑り出しのようです。

一方で男性ばかりで平均年齢が上がった自民党役員や女性が1人減った閣僚の写真をみて、「諸外国と比べても女性の比率が少ない」「女性活躍をうたう国の姿勢がみえない」といった声も聞かれます。

たしかに、男性ばかりの党役員、たった2人しか女性がいない内閣というのは、絵的にはさみしいですね。。

今回はあくまで緊急的な総理大臣の交代でもあり、コロナ禍の真っただ中のことでもあることから、人数や写真の絵がらだけで判断するのは適当ではないかもしれません。

ただ、組織はやはりトップで決まります。そして、そのトップを取り巻く人間模様が、端的に方向性を物語ります。

新しい内閣になって、デジタル化の推進や行政目安箱などの目玉政策が打ち出されつつありますが、やはり女性活躍推進のテーマは影が薄いといわざるを得ません。

その昔、日本でも「女性総理待望論」がささやかれる時期がありましたが、なぜか今は国策として女性活躍が打ち出されながら、そのような言葉をほとんど耳をにすることはありません。

世界を揺るがしたコロナ対応をめぐっては陣頭指揮をとる何人か女性リーダーの姿が国際社会に向けて配信され、女性ならではのきめ細やかな危機管理上のリーダシップが評価されました。

西欧諸国ではすでに多くの女性リーダーが輩出され、アメリカでも女性候補が大統領選で激しく選挙戦を戦ったり、女性の副大統領候補が名乗りをあげるなど社会的な関心が高まりつつあります。

せめてここ5年くらいの間に日本発の「女性総理」が誕生しないものかとひそかに心に願うのは、私だけではないと思います。

女性活躍推進というのは、現場での意識改革や行動改革とともに、国のリーダーシップや名実ともに女性がその地位について活躍するという姿ができて初めて血肉になるものですよね。

女性活躍というテーマは、それが推進されることで女性の地位の向上や役割の変化が期待できるのはもちろん、両性が等しく協力し合う社会が実現することで、男性の意識や行動にも前向きな変化をもたらすことが期待されます。

「令和のおじさん」たる管総理に、ぜひ令和の時代にふさわしい女性リーダー輩出に向けた力強い第一歩を踏み出されることを願いたいものです。

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橘亜季@『男はスカートをはいてはいけないのか?』の著者
学生時代に初めて時事についてコラムを書き、現在のジェンダー、男らしさ・女らしさ、ファッションなどのテーマについて、キャリア、法律、社会、文化、歴史などの視点から、週一ペースで気軽に執筆しています。キャリコンやライターとしても活動中。よろしければサポートをお願いします。