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生まれ変わったらどちらの性別がよいか?

生まれ変わったら、男性と女性、どちらの性別がよいか?
これは古今東西を問わず、永遠のテーマだと思います。

今の時代、男性と女性とでは、どちらが生きやすいのか?
もし、生まれ変われるとしたら、どちらに生まれたいか?

「トインク(TOINK)」(株式会社トイント、京都市伏見区)は、2023年12月にインターネット上でこんな統計調査を実施しました。



「生まれ変わるなら”男性”と”女性”のどちらがいいですか」という質問に対しては、「男性」が53%、「女性」が47%であり、回答は拮抗しています。

ただし、男女別にみると、「男性」を選んだ男性は74.86%、「女性」を選んだ女性は57.02%であり、やや「男性」を希望する人が多い結果が出ています。

このアンケート調査では、統計調査の結果だけでなく、フリー回答の「理由」も公表されており、回答者のリアルな声を見ることができます。

男になりたい女性の理由

・生理痛がひどいから無い方がいい、つわりが大変だった、子どもが欲しくないのに子どもを産む前提で(人生設計が)進んでいくのが苦痛、出産で失うものが多すぎる、ホルモンバランスに振り回されない生活がしたい
・男性を経験してみたい、女性は経験済みだから
・まだ男尊女卑が残っているから、「母親・奥さん」になってしまうから、男性には社会的特権が多いから、女性は人間関係が疲れる、結婚適齢期があるから
・男性は自由、野宿やその日暮らしをやってみたい
・男性は仕事をバリバリできて認められる、男性になって仕事だけをしていたい、稼ぎたいから
・メイク・身支度に時間がかかる、化粧は面倒、男性のファッションの方が好き、女性はキレイでいなくてはいけないから
・男性はバイタリティがある、力が強い、重たいものが持てる
・男性社会だから、男性主義だから、経済的にも優遇されている

【生まれ変わるなら男性か女性か】性別が選べるとしたらどっちがいい?アンケート調査して統計を出してみた結果


「男になりたい女性の理由」としては、女性ならではの身体的な問題や、社会的・経済的な事情など、自分の努力では変えることができないシリアスなテーマが多く挙げられているように思います。

女になりたい男性の理由

・女性で社会経験をしてみたい、なんとなく異性になってみたい、視点を変えてみたい
・男性より人生がイージーモードに見える、専業主婦になれる、見た目が良ければ生きていけそう
・化粧をしてみたい、ネイルが好き、おしゃれが楽しそう、いろんな服が着られる
・可愛いファッションで街を歩いてみたい、女性のファッションの方が豊富、ちやほやされたい、女性はヒゲも生えず、頭もハゲない
・女性しかできない仕事がある、女性の方が稼ぐ方法が多い
・子どもを産んで育ててみたい
・いつでも恋愛できる、恋愛で選べる立場になりたい

【生まれ変わるなら男性か女性か】性別が選べるとしたらどっちがいい?アンケート調査して統計を出してみた結果

「女になりたい男性の理由」としては、女性の方がファッションの幅が広いというものが多く、男性のような重い社会責任を背負わなくてもよいといった意見も見られました。

そもそも男性と女性とは対称的な存在であり、どちらが良い悪いか、いずれが得か損かという問題ではなく、それぞれがかけがえのない価値と生きづらさの両面を持っていると思います。


その上で、私が持った印象。

「男になりたい女性の理由」には、自分の努力や経験ではいかんとも変えがたい生得的な事情が多く並んでいるのに対して、逆に「女になりたい男性の理由」には、たんなる好奇心とはいわないまでも、自分の意思や行動によってチャレンジできると思われる内容が多いように思います。


ファッションにしても、子育てにしても、女性的なライフスタイルにしても、本人がそうしたいと強く決意をしたならば、「男性だから」という理由で社会的に処罰されたり、周囲からの強制で阻止されるものではないはずです。

うがった見方をするなら、そうした「男性だから」という得体のしれない社会規範に多くの男性たちが縛られているから、その反射的効果として、いまだに「男性社会」「男性特権」によって女性たちが苦しめられているのかもしれません。


私の見たところ、「女になりたい男性の理由」の多くは、本人の意思でチャレンジできるものです。その意味で、「男になりたい女性の理由」の多くよりはまだライトだといもいえます。

誤解をおそれずにいえば、着たいものを着て、好きなようにメイクをして、やりたければ純粋無垢に女性のカルチャーを受け入れたらいいのです。


それらは、女性が持つ生物的・物理的特徴や、社会的・経済的な構造などと比べたら、それほど根本的な問題ではないと思えます。

「女になりたい男性」が、一時的・仮装的でも、そう装い振る舞うことで、本当の意味で「男になりたい女性」の気持ちに寄り添えるのだとしたら、性差をめぐる現在の“壁”に向き合う処方箋を導く一助となるかもしれません。


男性に生まれても、女性に生まれても、自分の生き方に誇りを持ち、それぞれが性差を乗り越えて、お互いが尊重し合って、有意義な生き方ができる時代にしていきたいものですね。

学生時代に初めて時事についてコラムを書き、現在のジェンダー、男らしさ・女らしさ、ファッションなどのテーマについて、キャリア、法律、社会、文化、歴史などの視点から、週一ペースで気軽に執筆しています。キャリコンやライターとしても活動中。よろしければサポートをお願いします。