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『いっちょやってみっか』の記録 その6:小学生と全力鬼ごっこ
30代の皆さん、最後に全力で走ったのはいつだったか覚えていますか?
何かスポーツをやっている方であれば日常的に走っているかもしれませんが、それ以外の方はなかなか走る機会というのは無いですよね。
かくいう私も、先日久しぶりに全力疾走して絶賛筋肉痛です。
小走り程度であればたまにすることはあれど、全力で数分間走り回るなんていうのは何年ぶり…いや、十何年ぶり?
今回は自主的にやったのではなく「やらざるを得なかった」なのですが、せっかくなので記録しておこうと思います。
やんごとなき事情により全力で走り回らなくてはならなくなった30代の方の参考になれば幸いです。
全力疾走は突然に
それは我が子が通うスポーツ教室での出来事。
その日は参観日で、たくさんの親御さんが集まっていました。
いつものようにレッスンが始まり、いつものように子供たちを見守る…と思っていたところに、先生から思いがけない一言が飛んできます。
「今回は大人チーム対子供チームでしっぽ取りゲームをします!ご協力いただける方はこちらに集まってくださーい」
しっぽ取りゲームとは、しっぽに見立てたタオルをズボンの腰部分に挟み、そのしっぽを取り合うというゲームのこと。
つまり、ゲームに参加したら最後、時間切れまでフィールド内を全力で逃げ回る子供を追いかけ続け、自分もまた全力で逃げ回り続けなければならない…。
予期せぬ事態に動揺する大人たち。
しかし、そこはさすが子を持つ親の集団である。これまでの子育て経験から磨き上げられた空気読みスキルと判断力でもって、次の瞬間には互いに顔を見合わせて無言のメンバー選出が始まりました。
動きやすい服装…走れる靴…そして小さいご兄弟を連れていない…
それらの条件に当てはまる人がひとり、またひとりと、誰に言われるでもなくフィールドへと歩みを進めていきます。
さて。ちなみに私はというと。
上:パーカー
下:スウェットパンツ
足元:スニーカー
小さい子:連れてない
文句なしの参加メンバーである。
覚悟を決めて荷物を置こうとすると、お隣にいた幼児連れのママさんが瞬時に察して「バッグ預かりますよ」と声を掛けてくれました。
小さな子供を連れているママさんに荷物を持たせるのは気が引けましたが、そのくらいの荷物なら余裕ですから!というお言葉に甘えることに。
さあ、これでもう後戻りはできない。
準備運動
ゲーム参加メンバーは子供たちと一緒に準備運動をします。
普段ろくに体を動かしていないせいであちこちの関節がポキポキ鳴るし、なんなら準備運動の時点でもうしんどい。
一方、子供チームはというと、いつもはただ見学するだけの親たちが参戦してきたことでテンションが爆上がりしているご様子です。
「よーし、やるぞー!」「絶対勝つ!」とかすんごい大盛り上がりしてるもん。
そんでなんかこっちを見ながらコソコソ作戦会議してるもん。
準備運動でうめき声をあげる大人vsやる気満々の子供。勝負の行方やいかに。
試合開始
準備運動が終わると、先生から全員にしっぽ(タオル)が配られて各々セッティング。
制限時間は3分間。
ついに試合開始です。
走るのは久しぶりといってもしょせん相手は小学校低学年。
我々、大人が本気を出したら奴らはひとたまりもなかろう。
…って思うじゃん?
全然そんなことない。
小学生めちゃくちゃ素早い。
フィールド内を縦横無尽に駆け回る子供たちに翻弄される我々大人チーム。
直線ではまだ我々に軍配が上がるため、真っ直ぐ逃げる子のしっぽはわりと簡単にゲットできるんです。
しかし、いきなり曲がったり、人と人の間隙を縫うように逃げられてしまうともう追いつけない。
狙っていたしっぽを掴み損ねて「おっとっと」とたたらを踏んでいるうちに、後ろからやってきた子に自分のしっぽを持っていかれてしまいます。
そしてこのゲーム、一度しっぽを取られたら終わりではないんです。
相手チームから奪ったしっぽを自分のしっぽにして復活することができます。
あ~しっぽ取られちゃった~と自陣に戻ると、すかさずチームメイトがしっぽを持ってきて復活させてくれるわけですね。
つまり、本当に休めない。制限時間いっぱい走り回らないといけないのです。
しんどい。すごい純粋にしんどい。
まとめ
大人vs子供のしっぽ取りゲームは、大人げなく本気を出した親たちの奮闘により大人チームの勝利と相成りました。
数日分の体力と引き換えに手に入れた勝利です。
子供たちは悔しそうにしていましたが、大人とのガチ試合は新鮮な体験だったようで「またやりたーい!」と言っていました。
「ていうか今やろうよ!もう一回やろうよー!」なんて嬉しい発言も。
こんなに喜んでくれるのなら頑張った甲斐もあるというもの。
ガクガクする膝となかなか収まらない息切れに老いを感じつつも、1か月に一度……いや、半年に一度くらいなら、こういうものいいなぁと思うのでした。