君に贈る火星の「#ショートショートnote杯」
「君にプレゼントがあるんだ。」
と僕は言った。
「何?」
と彼女は聞いた。
「赤い鉱石。絵の具用の大きいやつ。」
「あら素敵ね。今丁度赤色を切らしていたから助かるわ。」
「それは良かった。」
僕は鞄からプレゼントを取り出して、彼女に渡した。
「隣銀河を歩いている時に偶然見つけたんだ。火星っていうらしい。」
彼女は火星を受け取り「ありがとう。」と微笑みながら告げた。
それから彼女はトンカチを取り出して、特に躊躇することなく火星を砕いた。その後、キラキラと光る欠片を丁寧に瓶に詰め