見出し画像

脳裏整頓 小説 vol,05

くうき

「ねえ、大海原ちゃんドーナツ半分こしよ。」
「その前に新くんに話があるの。」
「なに?」
「新くんって空気が読めないわよね。」
「どうしたのいきなり。」
「いきなりじゃないわ、日々少しずつ思っていたの。」
「ごめん、全く自覚が無いんだけど。」
「まあ、そうでしょうね。 じゃないとただの最悪な男よ。」
「具体的にどのあたりがそう思ったの。」
「まずさっきのドーナツよ。」
「ドーナツ?」
「新くんは半分こにしようって言ったけど、このドーナツは上のチョココーティングが半分しかかかってないでしょ。」
「そうだね。」
「そんなドーナツを半分にしたら、実質チョコは4分の1よ。」
「うん。」
「なのに新くんはそう提案した、まずこれが1つ目。」
「まだあるの?」
「もちろんよ。」
「何だろう。」
「先週新くんと一緒に私の友達の家が経営しているケーキ屋さんに行ったでしょ。」
「うん、おいしかったね。」
「そうね、そこで私が『3本の指に入るくらいここのケーキがおいしい』って言ったら何て言ったか覚えてる?」
「なんだっけ?」
「『じゃあ2番目と3番目は?』って言ったのよ。」
「何かおかしい?」
「ええ、すごくおかしいし空気も読めていないわ。」
「どうして?」
「確かにあのケーキはとてもおいしいわ。 でもね、もし私にとって1番おいしかったらあんな言い方はしない。 普通に1番おいしいって言うわ。」
「確かにね。」
「そう言わなかったってことは1番じゃ無いのよ。なのに他の順位を聞いてきた。
これって空気読めてないわよね。」
「ごめんなさい。」
「まあ、私が空気を読めていないと思うのは別に新くんだけじゃないわ。 まあこれは空気というより配慮というべきかしら。」
「誰に言ってるの?」
「この作者よ。」
「作者?」
「新くんが私の名前を呼ぶところから始まっているけれど、誰が私の名前が大海原と書いてマリンと読めるのよ。」
「・・・・・・・」
「全く読者を大切にしていないわ。」
「・・・・・・・」
「大体こんなしょうもない事をなに意気揚々と書き上げているのよ。 もっと素晴らしい事を思いついてから書きなさい。 恥ずかしいわ。」
「・・・・・・・」
「あと、アラタ君と読めているかも不安ね。」
「・・・・・・・」
「まだあるわ。この前の・・・・・・・・











「なに勝手に終わらせてるのよ!!!!!」



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?