動き始める(ピアノじまい④)
何から始めたら良いか分からないので、とりあえず、こういった古くて長く弾いていないピアノはどうしたら良いものか、知り合いの調律師さんに尋ねてみることにした。
おおよその製造からの年数、メーカー、思い出せる限りの状態などを伝えると、
申し訳ないけど、廃棄だろうね…と。
全然申し訳なくない。まったく予想の範囲内である。
廃棄の方法も尋ねてみた。
ピアノの配送業者さんがやっているとのこと。
おすすめの配送業者さんまでわかれば、、と思ったが、私の実家の地域はその方の範囲外だった。
電話を切ってすぐに、インターネットでピアノ配送業者さんを探してみる。
いちばん上に出てきた業者さん、ピアノ専門で長くやってきているのがホームページからもよく分かった。
お願いするならここだろう。
電話問い合わせしてみる。
ここでも製造からの年数、メーカー、状態を聞かれる。
加えて、搬出についての情報も聞かれる。
家は1階なのか2階なのか。
実家は1階が駐車場、階段で上がったところに家が建っているタイプなので、階段作業分だけ、料金もプラスされてしまうというわけだ。
まあまあの金額がかかることが分かった。
作業の内容を考えれば妥当だとは思った。
この金額でよろしければ、日にちをご予約くださいとのことで一旦電話を切る。
うーん。まあもう一箇所くらい尋ねてみるかと、今度はピアノ配送ではなく、普通に販売やメンテナンスなどを行なっているところに電話問い合わせしてみたが、そちらは廃棄は行っていないということで、先に問い合わせしたのと同じピアノ配送業者を紹介された。
となると、廃棄するならやはりさっきの配送業者さん一択だな。
進むべき道が見えて少しほっとした。
けれど。
ピアノを生かす方法はないものかという思いがむくむくと頭をもたげてきた。
なんとなく、こんなふうに思うのは私のエゴと感じていた。
そんなことで周りにも迷惑をかけたくないし、考えないようにしていたのだけど…
ま、ちょっと聞いてみるだけならいいかと、心当たりを探してみることにした。