摂食障害(せっしょくしょうがい)をもつ女の子のお話
私の名前は麻衣(まい)。高校2年生。
食べることが大好きで友達の中でいちばん食べられる自信がある。
毎日、大好きなチョコドーナツを買って学校に通っている。
166cm、体重は52kg。そこまで太っている訳でも無く、むしろ痩せている方だと思う。
しかし、あるクラスメイトの一言がきっかけで私は過激なダイエットに走ることとなった。
それが後にこんなことになるとは思ってもいなかった───
友達の早希(さき)は私よりも痩せていて、小柄でThe女の子って感じだった。
私にとっては自慢の友達で、憧れでもあった。
しかし、ある日。クラスメイトの1人が「早希と比べると麻衣ってデブだよな笑」とバカにされた。そこから自分の体型を気にするようになってしまった。ダイエットについて、ネットの隅から隅まで情報を集め、過度な食事制限、運動を自分が納得いく体型になるまで努力した。
──なんでこんなに私は太ってるの?
もっともっと痩せなきゃ、痩せなきゃ……。
食事は炭水化物なし、お菓子などありえない。天ぷらや揚げ物は全て衣を剥がして食べる。
……そんな生活を続けていくと、 日に日に体重が減っていくのを見てすごく嬉しかった。
でも…
それと同時に食べることが恐怖へと変わり、水を飲むことすら拒んでいた。
過去の自分は食べることが大好きだったのに、大好きなものが恐怖なものへと変わるのは自分でも驚いた。
そんな日々が続いていく……
そんなことはなかった。
そんな中ある日、BMI*が13をきったところで過食のスイッチが入ってしまった。
食べていない時間が無いほど食べまくった。一食に食パン、白米、麺を全てたいらげ、それでも満腹にはならず、ケーキを1ホール、ドーナツ、ファミリーサイズのお菓子、炭酸飲料を吐くくらいまで食べ続けた。時に冷凍品を解凍するのに待つことが出来ず、そのまま食べたこともあった。。
※ BMI(ビー・エム・アイ)とは、Body Mass Index(ボディマス指数)の略で、身長と体重から算出される体格を表す指標です。肥満や低体重(やせ)の判定などに用いられ、世界中で活用されています。日本肥満学会の基準では、BMIは18.5未満が低体重(やせ)、18.5以上~25未満が普通体重、25以上が肥満に分類されます。また、疾病率が最も少ない、理想的なBMI値は「22」とされています。標準値の「22」に近いほど、さまざまな病気にかかるリスクが低いといわれています。(Webから)
結果、過去最高体重をたたき出した。
さすがにやばいと思い、食事制限を開始したものの上手くいかず、食べては下剤を過剰摂取、わざとお腹を壊したりなど異常な行動を取るようになった。
──なんで?なんでこうなったの?なんで?なんでこうなの?なんで?
こんなの、私じゃないよ───
そう、これが摂食障害(せっしょくしょうがい)という病気である。
異常なほどの過食、過度な拒食、下剤の過剰摂取、過食嘔吐(略:カショオ)
麻衣は今でも摂食障害とたたかって生きている。
このお話はノンフィクションで作者の実話である。
摂食障害の中でも種類があり、私は神経性過食症という診断名だった。
食事をして下剤を乱用しプラマイゼロになるだろうと、今でも繰り返している。過食の際、金額など気にせずスーパーで好きなお菓子や菓子パンなどを買って余すことなく食べる。冷静になったらすごく後悔する。分かっているけど辞められない。
酷いと万引きまでして食べ物を得るのだろうか。是非同じ疾患を持つ方と共有したい。
知って欲しい。理解して欲しい────
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著者
羽音(うな)
編集者
星結羽(なずは)