【読書レビュー:正欲】本当の”多様性”とは?
先日朝井リョウさんの"正欲”を読みました。
埋もれている”多様性”についてがテーマの小説です。
正欲のあらすじ
無意識に遠ざけていた少数派の存在
読了後まず思ったのは
「私の思い描いていた多様性って一体なんだったんだろう?」
もう、本当に衝撃でした。
私の今まで考えていた「多様性」は、実はイメージしやすいものだけを集めて作られたもので、実際想像もつかなかいことだったり目を背けたくなる少数派には「異常者」と無意識のうちにレッテルを貼って遠ざけていたんじゃないかな。と気づきました。
受け入れられない少数派は多様性には入れない?
例えばLGBTQの人やずっと海外で生活していた人は現在では比較的受け入れられやすく「多様性だもんね」と受け入れられやすいのではないでしょうか。
じゃあ、例えばもし相手が人間以外の動物や、特定の物質に性的嗜好を感じる人だったら?
「そうなんだ」と素直に受け止めて、それも一つの多様性として接することができる人ばかりでしょうか?
例:動物虐待の裏に
例えば動物を虐待するニュースが飛び込むと「ひどいことをする人だ!」と憤ることはあるけれども、自分は「なぜその人はそういう行動に出たのか?」を考えたことはあっただろうか。
その過ちを犯してしまった人へ、どうサポートすべきなのだろうか?そもそもそれはその人にとって暴力を振るうのではなく一種の愛情表現だとしたら、無理矢理やめさせるのが正解なのだろうか?
「読んだら過去の自分には戻れなくなる本」
この本を読んでそんなことをよく考えるようになりました。
「読んだら過去の自分には戻れなくなる本」
とは本当に良く言ったものだと思う。
これまで「多様性」がキーワードの本をいくつか読んできてけれど、また新しい視点に気づかせてもらいました。
ちょっと長いけれど、是非読んでほしい作品です。
この他に「これまでの考えが変わるよ!」という本があれば教えてください。
その他読書レビュー
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