記事一覧
BLACKJISAYKUMONOE -fated of nemesis-
自己増幅を繰り返したその体内は、鉄屑や固まりかけの砂鉄が歪に絡まり合う異様な光景に満たされていた。
どこに隙間があるのか時折吹く冷たい風が、静寂を嫌うように砂鉄を撒き散らす。
巨大な体躯を冷やすためだろうか、冷却装置の稼働する機械音がこの場の不気味さを際立たせる。
いくつもの眷属や砂鉄の波を躱して、まだら牛は迷いなく歩を進める。
その瞳の虚ろな色は影を潜め、この先に待つ真実を映し出すために光を宿し
Lightbringer
「綺麗!」
君はまるで子供のように水槽に張り付いて、泳ぎ回る魚たちに釘付けになる。
薄暗い照明、まばらな人の気配、水に満たされた不思議な重圧感、弾む君の心音。
君の体がまるで透けてしまっているかのように、嬉しげに心臓をどきどきさせているのがわかる。
こんな田舎の、寂れた水族館で、君はまるで開園したての遊園地にでも来たかのようにはしゃいでいる。
さっきもきらきら光る魚の群れを見て、初めて見たかのよう
Bite me. × BOOGEY VOXX
覗き込んだ目はそらされる。
まっすぐに見つめても、あなたはいつもあたしの向こう側ばかり見ている。
どうして?
あなたはいつだってボクはキミの側にはいられないと、嘘にもならない嘘を吐く。
世界の終わりのように夜が更けて、遠く世界をおぼろげにしていく。
あなたは無意味な週末だったって言うかもしれないけど、あたしたちにとっては変わらない日々。
夜が明ければ朝が来て、またあたしたちを飲み込むように終末が始
Bite me.(bite back remix)
カチャカチャとグラスのぶつかる音、人々のざわめき、秘め事のような囁き声。
君は隣にいるのに、どこか上の空。
他人の目なんて気にしないで強引にキスをする。
君は不機嫌そうにこっちを見て、でも何も言わずにまたケータイをいじったりしている。
「もう帰りたかったりする?」
「そうかも」
なんて、わざとなのか、いや君はいつだって何も知らない。
ちらりと覗いた画面にはあいつの名前。
喉元まで出た言葉を飲み込む
儚い空(クライソラ)
なんて綺麗な夢なんだろう
色とりどりの花は咲き、楽しげに鳥がさえずる
果てしない草原、風に揺れるアネモネ、木々の揺らめき
雨上がりの清々しい空気が肌を包む
道端の水たまりが空を映す
洗い立てのような白い雲が青空に浮かぶ
そっと水たまりに触れると空は幾重にも重なってぼやける
それでも見上げれば空はそこにあって、美しい青が広がっている
世界の果てから風が吹き、草花に残された雨の雫がきらきらと光る
なん