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一度ぐらい、”普通”に合コンへ参加してみたい
男子校なんて行くもんじゃない。二十歳の頃の同窓会で強く思ったことがある。それはもう10年以上前か。高校を卒業して1年経ち、久しぶりに集まる機会だった。
男子校の同窓会は、当たり前だが女子がいない。飲み会に華である女子がいない時点で個人的には「終わっている」と思うのだが、男子校出身者にその感覚はない。酒が入り皆ワイワイとはしゃぎだし、そのうちこんなことを言う輩が出てくる。
「よーし、王様ゲームやろうぜ!!」
マジか。狂っていやがる。女のいない中で、誰が誰に命令をするというのか。今なら全力で止めていただろうが、当時は誰一人として存在しなかった。
そう、悲しいがな。彼らにとってはつい最近覚えた遊びなのである。男たちは意気揚々とゲームを始めだす。酒も入り、旧友と久しぶりに会えた喜びは狂気を加速させ、衣服を脱ぐ者が続出する。そして、誰かの顔面に誰かの金玉袋が押し付けれらた頃、全員が我に返るのである。「女がいないなかで、なぜ王様ゲームなどしたのか」と。
遅い。あぁ、すべてにおいて男子高出身者は遅い。共学出身者ならもっと手前で気づいていることを、見抜けずに突き進んでいる。そして、飲み会だけでなく、クラスやサークル、バイト先などの男女コミュニティで失言・失態を犯すのだ。
僕にとって「合コン」とは「恥の塗り重ねの記憶」である
僕にとって、その最たる思い出が「合コン」である。あぁ、思い出すだけで最悪な気分だ。
*****
当時も大学生になって初めのころだった。性質として、男子高出身者というものは男子同士でツルむ傾向がある。コミュニティに男しかいないので、女子と上手く喋ることができず、そのテレが変なベクトルに働く。そんな僕らが、がんばって合コンを開催することになった。
男女は4:3だったか。思い返せば、そもそも男女比を合わせるということも分かっていないし、男側を多くして居心地よくしているのが腹立たしい。会話の始め方も飲み会のゲームのルールも分かっていなかった僕らは、終始ぎこちなかった。
そのうち僕らは女子を放置して高校時代の身内の話をするようになり、周りで飲んでいるサラリーマンに絡み、ついには男子だけでラーメンを食いに帰る失態を犯したのだった。
翌日、幹事の女子と連絡がとれなくなってから、僕らはしでかした事の重さに気付いた。昨日の女子はみんな可愛く、オシャレをしてきて、話を終始聞いてくれていたのだと。
あぁ、まただ。僕らはやらかしてから気づく。
それでも、1回ぐらい”普通”に合コンへ行ってみたい
このように、僕には「普通に最後まで合コンをやりきった経験」がない。
今回のかきあつめのテーマは「一度は行ってみたい場所」なのだが、「あぁ、一度ぐらいちゃんと合コンをやりきりたかったなぁ」と思ったことが、当時を振り返るきっかけとなった。
5年くらい前まではもう少し合コン欲があった気がするが、最近はめっきりである。考えれば今年で32歳の既婚者なので、とうとうその機会はないのかもしれない。やっとこさ女性と対等に喋れるようになれたと思ったのに、あぁ、実に残念である。
あーー、だれか。こんな僕でもよければ合コンに誘ってくれねぇかなぁ~。(もちろん、男子校出身者の合コン以外でね~~)
記事:アカ ヨシロウ
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