会社員だから「地面師たち」を観てビビり散らかしてた
この夏休みにいま話題のNetflixオリジナルドラマの「地面師たち」を観ました。
観終わった直後の私です。
実際に起きた地面師事件をもとに作られた作品なんですが、出演陣は演技化け物ド級俳優ばかりで話が進むごとに「ひえ〜~」となんともいえない声を上げながらノンストップで観てしまいました。
リーダー役、交渉役、法律担当、なりすまし役探しのキャスティング担当、情報担当…と抜け目なくその道のプロを揃えて架空の土地売買を持ちかけて騙す地面師グループと誰もが知る多てディベロッパーとの間に起きたことの顛末を7話に渡って繰り広げます。
どの回も後味引きずるような劇伴と化け物演技とスケールの大きい事件にのめり込んでましたが、段々と背筋が伸びる思いでハラハラしてました。
そして全てを見終わってこのハラハラの正体って、わたしが会社員の端くれだからなんだろうなとふと思ったわけです。
不動産会社に勤めてるわけではないんですが、ハリソン山中率いるプロ地面師グループの罠にかかってしまった石洋ハウスを他人事とは思えなくて力ない声で「ひえ〜」と見てた次第です。
ビッグプロジェクトが頓挫しかけていて赤字が出そうになってる局面の上司がいたとして、冷静に考えれば怪しい売買を部下として止めさせられるのか…??な気持ちになってたんですよね。
目をつけた土地はドンピシャな広さに好立地。きっと同業他社も目をつけていれば一歩も譲らないでしょう。
理想的な土地の調査をしつつも、規模が小さいものであれ他社の地面師詐欺の情報をきちんと入れていれば、もしもの代替案を練れることはできたんじゃないか?とか話が進むにつれて思っちゃうんですよ。
きっと実施してたら少なからず詐欺に気づく要因になったかもしれない近所の地主確認調査だって、念の為ってことで根拠とともに提案できてたら良かったのかな〜なんて思ったりして。
売買の打ち合わせや契約のための顔合わせのときにピエール瀧演じる地面師側の司法書士に「もうええでしょう!!」と圧をかけられても毅然とした態度でアシストできたらどう変わってただろうな〜とか、とにかく石洋ハウスのモブ社員目線で観ては尋常じゃないハラハラをしていたわけですよ。
最後の最後まで「もしも」と考えれながらハラハラしてましたが、最終的に方向性のジャッジをするのは案件の責任者です。
事情が事情だけにどんなに根拠とともに案を出したとしても跳ね返されてしまって、どんどん事が進んでしまう無力さは想像しがたいものがあります。
そこまで昔ではない時代に起きた事件を題材にしたということもあって、とんでもなく体力・気疲れをした作品でした。
豪華なキャストやNetflixド級の演出、劇伴とすべてが最高のものがあわさった結果だからこそそう感じたのもあります。
YouTubeでちょこちょこアフタートークを観てますが、裏側の話は聞き逃がせませんよね。
観終わってしばらくして気持ちの切り替えに「大豆田とわ子と三人の元夫」を久しぶりに観始めてました。松たか子さんかわいい。
とんでもない作品に出会えた夏休みでした。