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【台詞集】小説『明鏡の惑い』第六章「細波」より
そこが浅間観光の普通じゃないところなのよ。雨が漏ろうが猫が漏ろうが、そういうものとして愛される。
わが浅間観光は永久に不滅です!
あちらのホテルはこちらと全然違いましてね、断然高級志向でしたよ。
そういえば旧ホテルで使っていた銀食器、どこへ行ったのかしらねえ
いつの間にかナイフやフォークがひとつまたひとつと、だんだん減っていったそうです
建物は古くなるし、始まったことは終わってゆく。いやはや時勢だのう。
照月湖の樹氷まつり、夢幻のごとくなり
うちのアンちゃんは馬刺しが大好物なの
ずいぶんグルメなワンちゃんですこと。運動不足に栄養過多じゃ、長生きしないわよ
へえ、へえ、へえ、まあずこりゃカオスだつうこと! 麻雀牌をぐちゃぐちゃに掻き回したようなカオスだつうこと!
それでは皆さん、メリークリスマス!
トナ・トナ・カイ・カイ
照月湖温泉もできたし、明鏡閣さんはますます繁盛するわね。
そらっことを! 死にったわけのそらったあことだよ! やっぱりわったしの恐れた通りだよ! 屯匪の孫どもに悪い影響を受けたんだよ!
まったくユウくんは明鏡だね! 六里ヶ原の明鏡だよ!
遠からず甘楽の家でピアノ教室を開くことにしました。
おおい、はあ危ねえぞ! ユウくん、早く戻って来お!
嬉しいことも悲しいことも、ぼくたちひとりひとりの命も、どこか見えない湖にきらめく細波のひとつひとつにすぎないのかもしれない――。
(作品はこちら)
https://www.alphapolis.co.jp/novel/703314535/113741973