小説『明鏡の惑い』第十三章「暗い道」紹介文
六里ヶ原は寒冷地で冬休みが長い。
1995年の1月に観光ホテル明鏡閣のみんなは、斑尾高原スキー場への社員旅行を実施する。
同行した悠太郎は、かの地のホテルで阪神大震災の報に接する。
留夏子が卒業する3月の日には、東京の地下鉄に毒ガスが撒かれる。
事件との関連が取沙汰される教団は、六里ヶ原にも施設を持っていた。
物情騒然たる5月の高原を訪れる客は少なく、明鏡閣は大損害を被るのであった。
風薫る季節の湖畔で、入江いづみは悠太郎に驚くべき提案をする。
いづみの言う通りかもしれない。オオルリを見たところで、それが幸福の青い鳥だとどうして信じられよう。
愛鳥週間のポスターを描かせる図工の時間にも、カナリアの鳥籠を持った隊員たちによって、教団施設の一斉捜索が行なわれていた……。
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