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小説『明鏡の惑い』第十四章「歳月の灰」紹介文
2年生のときから宿題として課せられた日記に、悠太郎は様々な思いを綴り続けた。
小学校最後の学年となった今では、書きためた日記帳はかなりの冊数になっていた。
運動会の成績で千代次を怒らせてばかりの悠太郎は、涼子と真花名の助言を受け容れて、ふたりとともに鼓笛隊の指揮者を務めようとする。
夏休みのあいだにも悠太郎が練習で振るメジャーバトンのように、日々は規則正しく過ぎていった。
照月湖モビレージにきらめく自動車の祭典を見た悠太郎は、自分もまた夢のように美しい鼓笛隊を率いようと決意する。
観光ホテル明鏡閣では黒岩支配人が、株式会社浅間観光の起死回生を賭けた秘策を発表する。
小学校最後の日記には、何が書かれるのか?