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SSS

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不定期更新の小説『SSS』スリーエス、置き場。
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2019年12月の記事一覧

『The Shibuya Sillies Street』-21

-21  だけど、わかったところでどうにもならないよな。  僕が見かけた、女の子。スクランブ…

『Th Shibuya Sillies Street』-20

-20  そうだった、忘れてた。バイトを始めて、1ヶ月くらい経ったとき、先生が言ったんだっ…

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『T Shibuya Sillies Street』-19

-19  ぶつかられた? 触られた? そんなんたくさんありすぎてわからない。  だって、箱に…

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『Shibuya Sillies Street』-18

-18 「尻子玉はどこに? あなたはそう考えているでしょう。探す方法はあるのかと」  その通…

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『Shibuya Sillie Street』-17

-17  サクラバと先生が言ったのは僕のこと。  桜庭良平、25歳、水瓶座のA型。昼間はIT企業…

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『Shibuy Sillie Street』-16

-16 「人には『尻子玉』という部位が実は隠されています。河童に抜かれると語り継がれている…

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『Shibuy Sillie Stree』-15

-15  先生が喋った。  久々に声を聞いた気がする。蚊の鳴くような声、というのはこの人のことを言うんだと、最初に出くわした時に思った。小さい声なんだけど、なぜか聞こえる。人混みのなかでも、聞こうと集中すれば聞こえる。不思議な発声方法なんじゃないかと思うほど。だけど、先生は普段はまったくしゃべらない。指差したり、顎をしゃくったり。声を出すのが体に悪いことのように、しゃべらない。僕はスカウトされたときと、ここに初めて連れてこられて、バイトの内容を聞かされたとき以来、先生の声を

『Shibuy Silli Stree』-14

-14  最寄り駅を降りて、駅前の人混みから抜け、人気がまばらになった住宅街にはいったところ…

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『Shibu Silli Stree』-13

-13  倒れて、助かった。俺がわかることはただそれだけ。  痛いとか苦しいとかは無いんだ…

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『Shibu Silli Stre』-12

-12  変な男が担ぎ込まれてからの先生の動きは不可思議だった。  男は意識がないようで、…

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『Shibu Sill Stre』-11

-11  なんだか眩しくて薄目をあけると、視線の先に照明があった。  ライブとかのじゃなく、…

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『Shib Sill Stre』-10

-10  ぼーっとして、たまに感想を述べる。そこは痛い。それくらいなら大丈夫。なにも感じない…

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『Shib Sill Str』-09

-09  坂と坂の間にある雑多な地帯の、さらに雑多としかいいようのない雑居ビルの階段を登って…

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『Shib Sil Str』-08

-08  眠くて眠くて、マジ体調悪くて、なんでこんなことになったんだと、トイレの個室で頭を抱えた。  この箱は案外防音がしっかりしていて、床から伝わる振動だけがまだライヴが続いてることを教えてくれる。女の子ぶつかりそうになって、その娘の笑顔がかわいかったから、歩いて会場に向かったら到着直前でゲリラ豪雨。滝みたいな、ホントのずぶ濡れ。当然着替えなんて持ってないし、物販のTシャツは売り切れだし、フロアの空調はガンガンだし。  そう、風邪を引いたのだ。  酒飲んで踊ってれば大丈