【麒麟がくるレビュー・2軍】その37 「信長公と蘭奢待」って何じゃ?
これは、私の単なる思いつきで3人を巻き込み、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』の感想ぽいこと書いている2軍レビューである。
巻き込まれた3人とは日本史知識はほぼゼロという以下のメンバー。
・82歳のじーちゃん(日本人。日本在住)
・12歳になる息子・エル(日本人とスペイン人のハーフ。マドリッド在住)
・ビジネスウーマンのタマラ(スペイン人。マドリッド在住)
さあ、今週は「麒麟」をどう料理しようか。
なぜか上から目線で始まるのである。
■タマラの「麒麟がくる お顔拝見10 駒」
さすがのスペインもコロナ下においては、みなマスク着用だ。
タマラがマスクを外すと、彼女の口元から覗く歯がギラギラしている。
矯正中で、金属のマウスピースをしているのだ。
そのせいで口が閉じにくいらしいのだが、マスクは開けっ放しの口を隠すのに便利だとか。
そんなタマラのお顔拝見もおもしろいかもしれないが、やはり今日は待望の駒ちゃんの人相を彼女に見てもらいたい。
この2軍でもしょっちゅうやり玉にあがっている駒ちゃん。
タマラは彼女の写真に何を見るのか。
自分で自分を守れる人ね。
なるほど。
だが驚くほどの指摘ではない。
誰だって駒ちゃんの庶民的な服装から(最近ドラマでは庶民っぽさも無くなったが)たくましく生きる様子を想像することは可能だ。
強いわね・・・。(顔をしかめる)
ん?
何、その表情。
その先を聞きたい。
この女性は、人々から好かれるのよ、なぜか。
「視聴者に人気あるってこと?」
違うわ。ドラマの中の人たちに好かれているのよ。
あははー。タマラよくわかってるじゃん!
ドラマの中では、庶民では考えられないような場所に出入りする駒ちゃん。
とんとん拍子に金持ちになり、貴人ネットワークを持つ人気者駒ちゃん。
どこがいいのか、将軍足利義昭のお妾まがいの駒ちゃん。
確かに「ドラマの中」では人気者だ。
すると、私が笑顔になったものだから、タマラが誤解した。
やっぱりそうだったのね。
可愛くて、ドラマの中でも外でもみんなに好かれるマスコットのような、ヒロインのような存在。そういうことね!
えっ。
ええーっ!? (*駒ちゃんファンの方、ごめん)
言葉に詰まる私を見ながら、タマラは矯正マウスピースをゾロリと光らせ、ニッカリ笑った。
■デカい蘭奢待(らんじゃたい)
大きかったのぅ! 蘭奢待・・・。
じーちゃんの第一声である。
2人で抱えて運ぶほどの大きな香木に対する素直な感想だ。
うーん。(ドラマの)蘭奢待は本物とよく似ていたね。
これは、エルの間違った感想である。
ホンモノ見たことないクセに。
だがエルは
見た。そっくりだった。
という。
あ。え?
まさか、あれは違う!
違うよ!
先日「実はお母さんな、これ欲しいねん」と言って見せた、歴史グッズガチャのカタログチラシにあった蘭奢待(写真右下)。
まさかホンモノと誤解するとは。
あれは真っ赤なニセモノの写真だ。
プラスチックだし、手のひらサイズ。
エル、あんたはまだホンモノ見たことないんやで!
■朝倉&浅井の死は、信玄が死んだ連鎖反応!?
武田信玄は、彼の人生においてめちゃくちゃ沢山活躍した人だと思う。
が、その事実もこの人の知るところではなかったようだ。
信玄はなぁんもせんうちに死んだな。
やるぞ、言うたら死んだ。
兵をひきあげてしもうたおかげで、大迷惑じゃ。
朝倉や浅井が死んだのは、信玄からの連鎖反応です。
「えー。信玄のせい?」
もちろんじゃ。まあ、わしらに時間がないせいもある。
やることやらんと間に合わん。
わしら?
間に合わん?
そうそう。
急がんと(大河の最終回までに)信長を殺(や)る時間がなくなる!
もう、じーちゃんは「本能寺の変実行委員会」のメンバー気分である。
それにしてもこの人、武田信玄、朝倉義景、家臣の山崎吉家、浅井長政らの死について、全くなんの感慨もない。
身体は紙で出来ているくらい弱いが、精神だけは鋼である。
エルのほうがよっぽど武将たちに心を寄せている・・・かな?
朝倉義景のカブト、ボク好き-。貝の形をしたカブト、面白い!
朝倉義景のイトコ(朝倉景鏡のこと)、ベロがすごく真っ赤だったね。何で?
ドラマの筋より些末なことの方が気になる12歳。仕方なしか。
すると、エルは突然言い放った。
さぁ、これから信玄はどうするの?
え?
信玄、死んだでしょうが。
いや、あれ本当は死んでないよ。
だって信玄は、信長のナンバーワン・ライバルだよ。
死んだふりしてこれから信長にアタックするんでしょ?
武田信玄は、臨終の際に「自分の死を3年秘しておくように」と言い残したという。
エルに対しては、3年どころか450年くらい効いてます。
■みんな変わったのう・・・
駒ちゃんの顔が変わったのう。スッピンじゃったし。
じーちゃん、スッピンって言葉知ってたんだね。
化粧はしてただろうけど、確かに最近の駒ちゃんはすっかり大人びて、当初の怒りんぼの若い娘のイメージからかなり変わった。
20歳だった光秀が46歳になったのだ、駒ちゃんだって30代後半くらいにはなるわけだ。
じーちゃんはため息をつく。
駒ちゃんだけやない。信長、秀吉、将軍、みんな変わってしもうたのぅ。
なんだ、じーちゃんちょっと寂しいのかな。
すると、この男、私にこんなことを尋ねるのである。
ところでお前、摂津は元気なんか?
はい?
そんなことを私に聞かないで頂きたい。
じーちゃん、あんたなら知ってると思ってたが、摂津晴門は私の家族ではない。
■2軍入り希望者発見!?
私がエルに『麒麟がくる』の感想をインタビューをしていた時のこと。
横でダイニングテーブルを片付けてくれていたエル姉(15歳)が、手を動かしながらさりげなく我々に尋ねた。
で、信長はもう死んだの?
いきなりの質問に目が点になるエルと私。
まだ死んでませんが。
すると彼女はニコッと笑ってこう言う。
あ。そうか。だって主人公だもんね-。
んー違う。
一体なぜ急にそんなことを言いだした、エル姉よ。
べつに-。
立ち去る彼女。
エルが耳打ちしてくる。
お姉ちゃん、ボクたちと一緒にやりたいのかな。
ああ、そゆこと?
ふうううん。
最近この2軍レビューへのコメントで、じーちゃん、エル、タマラの名前が頻繁に挙がっているのに気づいたな。
嫉妬しているヤツめっけ。
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2軍というからには、『麒麟がくる』の1軍レビューもあるんです。
「歴史上の人物.com」さんが喜ぶので、お暇があれば、2軍と1軍を比べて見てください。大差ないかも笑。