ほっとけファンキー。【ぶつぶつ仏像③】
仏さまにはさ、パンチパーマみたいな髪の毛の仏さまいるじゃん?
こういうの。
(ウィキペディアより:東大寺大仏)
これは奈良の大仏さま。
本名は「盧舎那仏像(るしゃなぶつぞう)」です。
この髪型、巻き貝の殻みたいな、ま、パンチパーマみたいなのは、螺髪(らほつ)といいます。
巻き貝みたいに右回りに巻いてる。
大仏さまの螺髪1コはこんなかんじ
【直径】約22cm
【高さ】約21cm
【重量】約1.2kg
デカイわー。
さすが大仏。
さて、螺髪とは「如来」専用のヘアスタイル。
1つずつ長い髪の毛を巻いてまとめる結構手の込んだものです。
だって、如来というのは、悟りを開いたというトップ・オブ・ザ・トップの仏さまなんだから。
だから、パンチパーマの仏さまを見たら、それは「如来」。
「パンチ=如来」
OK?
でさ、髪の毛って伸びるじゃん?
如来の螺髪も放っておくと伸びるよ。
その証拠はこれ。
(金戒光明寺の「五劫思惟阿弥陀仏」)
螺髪、伸びすぎ。
もうアフロ状態。
で、こういうファンキーな阿弥陀如来のことを
「五劫思惟阿弥陀如来(ごこうしゆいあみだにょらい)」
っていいます。
もっかい見てみましょう。
今度は横から。
うはは。
ずいぶんいってますね。
螺髪のままでどう伸びているのか謎が残るが、まあええわ。
これは、この阿弥陀如来がまだ如来になる前に、世の中の人々を救おうとして五劫(ごこう)と呼ばれるながーーーーーーい時間、思索にふけり、修行をしたときの姿なんです。
五劫という時間がどれほどかというと・・・。
一劫というのは「1辺40里の大岩に天女が3年(100年という説も!)に1度舞い降りて羽衣で撫で、その岩がすり切れて無くなるまでの長い時間」のこと。1つの宇宙が生まれて消えるまでの長い時間のことです。
それにx5して=五劫というわけ。
つまり、気の遠くなるような長時間考え続け、修行をした仏さまを表わした姿。
ファンキーでグルービーに見えるけど、ご本人(いや、ご本仏か)は大真面目よ。
自分のヘアスタイルのことなんて棚上げで修行した、エライ仏さまがアフロ仏像さまってことでよろしくね。
このアフロ仏を含んだ明石白の記事が以下の「阿弥陀如来」です。
時間のある方はご覧になってください。仏像リンクさんが喜びます。