ワードインディアンの思い出話①
思い出話です。
デザイナーズノートみたいな事ではありません。制作手記の再編集です。
発端
ゲームを作るきっかけはいつも不満から。
このワードインディアンの発端は、ジャストワンであった。
2020年1月18日にジャスト・ワンの日本語版を遊んだ。
新宿で先行販売していたので買ったのだ。いきなり余談だが、この時に同時に買った箱潰れサンペテ2版を未だに積んでいる。トムレーマンの拡張入りで遊べる日は来るのか。
さて、ジャスト・ワンは素晴らしい。今もなお盛んに遊ぶが、とにかく親のあの孤独な待ち時間が好きではない。みんな騒いでいるのに蚊帳の外にされるのがとても淋しい。
これをどうにかしたワードゲームを作ろうとしてあれこれ考え始めた。
当時のメモでは下記のように書き残している。
最初期は親が2人だった。親2人のお題から連想されるヒントと、親が互いに書いたヒントをぶつける形だった。
また、お題を名詞にすると連想ヒントがものすごく出しづらいことも分かった。
「コードネーム」はこれを数で解決している。1on1だと詰むけど、複数枚あれば何かしら引っかかりやすくなる。
この時点で未発売だが、「言葉のクローバー」は方向と組み合わせでなんとかしている。そして、「ニゴイチ」は特に何もしていない。びっくりした。
1on1で連想できる言葉が出づらいのは、名詞が原因と考えて自由度の高い動詞を採用とした。そして、2人親がいるならもう片方は形容詞と決め打ちした。
この辺りを使うワードゲームは「さまことばカードゲーム」や「ニットウィット」しか無いので、珍しさもあるかなとも思っていた。
2020年2~3月に何回かテスト。
人間に遊べることが分かった。正答にもたどり着ける。
当初はヒントを出す側の難易度が高かったが、徐々に親が気を利かせすぎると簡単にもなりすぎるセッションが多くなった。
ここで制作は一時停滞する。そうだね、コロナだね。
天啓
1年ほど放置していたが、2021年6月、急に全員親になれば良いのではと思いつく。
現状と同じく、お題とお題の間にヒントを出す形式となった。
この頃はまだゲームゲームな感じだった。付箋をリソース化して「ベルラッティ」のヘルプ能力のようなものを搭載していたりと、細々したルールを盛り込んでいた。また、6人対応や3人ルールも作っていた。
お題の選び方も細かく決めていたのだが、ランダムの方がテンポが良く、いったん完全ランダムとなった。
被っとるやんけ
2021年夏~末ごろにまたテスト。東京デビュー。
調子乗ってお題の数を増やしたところ、難しい単語がめくれた際にヒントが出てこなくなった。これと完全ランダムが相まって詰み状況がたくさん生まれた。
そしてさらに、「言葉のクローバー」というゲームに似ていると指摘を受けたので意気消沈。これがショックすぎて今もなお未プレイです。やっと呪いが解けた。
まぁ、でもワードインディアンの独自性である言葉の引き算部分は被っていないので良しとする。良しとするまでに4ヵ月かかってますね。
この辺りから延々とワード絞りをすることになった。
ワードに関しては、辞書を見て一般的に使う動詞172語、形容詞146語をピック。
ここからさらに限定的な単語、例えば「祝う」「悩む」「神々しい」「等しい」などを間引き、動詞形容詞共に64語を選定した。
え、64語は少なくない!?
そう、動詞はともかく形容詞がそれくらいなのである。
これを1カードに4ワード乗せるとお題がたった16枚だけになってしまうのである。これはあまりにも少な過ぎないか……?
これを箱に入れて作るのは結構がっかり感強くない……?
そこに颯爽と現れたのが、「チャック横丁」である。
次回はチャック横丁に救われた話とプロダクト関連、宣伝関連の思い出話をします。
おまけ
テストプレイでやいやい言われてますか。
ありがたいことに、僕はめちゃめちゃ言われてます。
印象に残ったのをいくつか。
お題を全員相談ルール時
「お題ランダムの方がテンポいいよ!!!」
→お題ランダムに変更
お題ランダムルール時
「ランダムすぎて詰むよ!!!」
→お題相談に変更
第2回お題全員相談ルール時
「テンポ!!!!」
「そもそもオープン会で急に集まった人たちは我先にと相談の口火を切らない」
→ランダムに変更
第2回お題ランダムルール時
「ヒントの方向性が見えない」
→親だけランダムで残り相談。詰まない優先。
親だけランダムに決まれば、そこが相談の糸口になるのではという期待。
「動詞だけの方がヒント出やすいのでは?」
→気持ちは分かるが、一般的に使う動詞も実はそこまで多くなくて……。
「すごく苦手……」
→そうだよね、ユーロゲームのテスト会に来てる人だもんね。ごめんね。
「面白い!」「もう1回やろ!」
→ありがとうございます、励みになります。