つれづれ雑記*わさび鉄火、の話*
私は(いい歳をして)子ども舌なのか、辛いもの苦いものが苦手だ。
生姜は好きなのだが、辛子やワサビはあまり量が多いと食べられない。
お寿司のワサビもおでんの辛子もホットドッグのマスタードもほんの少し、香りがする程度でいい。
嗜好というものは全部は遺伝しないのか、長女は辛いものが大好きだ。
小さいときは(さすがに)そうでもなかったが、高校生になる頃には完全に辛いもの嗜好は親子で逆になった。
彼女が「お昼にめっちゃ美味しい麻婆豆腐食べてん」と見せてくれるスマホの画面の麻婆豆腐は真っ赤。
最近、何度目かの激辛ブームらしく、やたらと辛い赤いカップラーメンがコンビニでよく売られていて、長女もたまに買ってきて食べている。横から覗くとギョッとするほど赤い。
私などは見ただけでも、眉間にシワがよってしまう。
その長女がこよなく愛する菓子がある。甘いものではないので「菓子」と言っていいのかどうか。
その名も「わさび鉄火」と言う。
見かけは小さな醤油味おかき。幅2センチ長さ4センチくらいで海苔が巻いてある。
ごく普通のおかきだ。
だが侮るととんでもない目にあう。
絶対にひと口で食べようなどと思ってはいけない。(サイズ的にはひと口なのだが)
カリッと噛んで少量を口に入れる。表面に塗られた醤油の滑らかな食感と海苔の香ばしい香り。それを味わいながら、咀嚼する。
最初はごく普通の美味しいおかき。
飲み込もうとしたその瞬間。
敵は突然にその威力を発揮する。
まさに鉄火とはよく言ったもの。
その火は、喉や舌には来ない。いや、もう舌は痺れているのかも。口の中にわーっと広がった刺激たっぷりの空気がいきなり鼻へと抜ける。
そして、そのまま眉間から脳天に。目が開けていられなくなり、息が止まりそうになる。あまりの衝撃(?)に腰にくる人もいるそうな。
おかきの生地に練り込まれていると思われるワサビが、それはもう強烈なのだ。
お寿司に入っているワサビの2倍?いや、5倍? そういう次元ではもはや語れないかもしれない。
こんなに詳しくエラそうにウダウダと書いているが、私は一度、それもほんのカケラしか口にしたことがない。
だが、あれで充分だ。
大袈裟でなく、爆弾級の破壊力。
だが、長女と、それから家人はこのとんでもないおかきを美味しいという。(次女は私と同じで辛いものは苦手だ)
以前、年末に家人と娘らに正月用のお菓子を買ってくるように頼むと、ファミリーパックのエンゼルパイやおばあちゃんのポタポタ焼きに混じって、必ずこのわさび鉄火が入っていた。(何でやねん)
正月休みに遊びに来ていた甥っ子が、気づかすに(騙されて?)このおかきを一口で食べて、涙目になっていた。
ところが最近、このわさび鉄火がいつも行くスーパーの店頭に並んでいるのをとんと見かけなくなった。
私だけかと思ったら、長女も家人も「最近、見ないなぁ」と嘆いているから、本当に店頭には並ばなくなっているらしい。
爆弾並みに危険なおかき、との認定を受けて国で規制でもされたのか(あくまで個人的主観です)と、私は密かに思っていた。
知り合いにやはりわさび鉄火のファンがいて、
「最近、スーパーで手に入りませんね」
と言ったら、
「Amazonでお取り寄せできますよ」
とのこと。
「あと、ドンキホーテでも売ってますよ」
なぜに、ドンキホーテ?
もしかして、パーティーの罰ゲームに使われたりしていないか、と心配になる。
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もし、ご興味のおありの方がおられましたら、Amazon、もしくはドンキホーテで入手可能だそうです。
見た目はごく普通の海苔巻きおかきです。
製造元も、阪神間では知らない人は多分いないと思われる小さいながらも老舗のおかき製造メーカー。
梅のつぼみをイメージした「鶯ボール」という可愛らしいおかきも製造しています。(私はこれは大好き)
平凡な日常に刺激をお求めの方、よかったらご賞味ください。
でも、決して侮らないでくださいね。
ちなみに「わさび鉄火」の姉妹品(?)に「烈火わさび」というおかきもあるそうです。私は見たことはありませんが、これはまた更に強力、らしいです。
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