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つれづれ雑記*食塩水の濃度、の話*
☆☆☆
この記事の中で2箇所間違えているところがありましたが、あすかさんのお陰で訂正できました。
後から追記という形になっていて、少々読みにくいかもしれませんがご容赦ください。
次回からは気をつけます。
☆☆☆
わたしは数学が得意ではない。
が、しかし、決して嫌いなわけではない。
あの、一切の妥協を許さない理論整然とした計算式や証明。唯一無二の解答に辿り着いたときの爽快感。
美しい、と思う。
もっとお近づきになりたかったし、できれば親友にもなりたかったが、どうやら、私はピタゴラテスやユークリッドからは愛されなかった、いや、何なら一瞥もされなかったらしく、数学的な頭脳は全く持ち合わせがない。
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(追記①)
すみません。
ピタゴラテス、ではなくて、ピタゴラス、ですね。
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なので、数学とは、まあ、出先で会えば挨拶くらいはする顔見知り?程度、というくらいの間柄にしかなれなかった。
とても残念なのだけど。
そんな私ではあるが、文章問題は好きで、他の問題よりは少しだけ得意だった。
小学校の算数の文章問題というのは、すっごくよく出来ていて面白い、と思うのは私だけだろうか。
たとえば。
①買い物の問題
たかしくんが、1000円持って駄菓子屋さんにお楽しみ会のゲームの景品を買いに行きました。
景品は、合計で37個必要です。
たかしくんは30円のキャンディと25円のガムを取り混ぜて買うことにしました。
全部で1000円ちょうどになりました。
たかしくんはキャンディとガム、それぞれ何個ずつ買ったでしょう。
***
現代風ツルカメ算、というところだろうか。
キャンディとガムの数をそれぞれ、XとYと置けば簡単だが、小学校ではまだ連立方程式は習わないのでその手は使えない。
小学生には小学生なりの、実に合理的な解法があって、且つ、こっちのほうが面白いと私は思う。
ところで、小学校の算数の文章題の主人公、たかしくん率が高いと感じるのは私だけではないと思うのだけど、どうだろう。
②速度の問題
兄が自宅からスーパーに徒歩で買い物に出かけました。兄が家を出てから6分して、財布を忘れて行ったことに気づいた弟が自転車で後を追いかけました。
弟は自宅から何メートルの地点で兄に追いつけるでしょう。
兄の歩く速度は分速40メートル、弟の自転車の速度は時速6キロ、とします。
***
お兄ちゃん、財布忘れるなんてサザエさんかよ、とかのツッコミは、まあ、置いといて。
兄の速度が分速、弟の速度が時速であること、そして、弟が家を出てからも兄は兄で移動し続けているというところが、ポイント。
いや、スマホ持ってへんのかい、という話はここでは無しで。
どちらにもストーリー性があり、かつ想像力をかき立てる設定も絶妙。
実にクリエイティブな問題ではないか。
(あくまで個人的見解です)
こういう問題を解くには、単に計算が出来ればいいわけではない。問題の文章を読んで、その意味を汲み取り、何を問うているか明確に理解しなくてはならない。何なら、その問題の中の背景、というか、設定というか、それらを想像し、ストーリーを理解する必要がある。
そう考えると、昨今、あちこちでもてはやされている「考える力」などは、ここに集約されているではないか、と思うのだけれど。
(ここまでの話は、あくまで私の持論であって、何の学術的根拠があるものではないことをご了承ください)
さて、数あるこのような問題たちの中で、私が一番感銘(?)を受けた問題がある。
それは、食塩水の濃度の問題だ。
割合や百分率を授業で習い、この問題に初めて出会ったとき、解法だけでない、その概念に目からウロコが落ちた。(大げさ…)
この問題にもいろんなバージョンがあるが、とりあえず2パターン。
③食塩水+水の場合
濃度20%の食塩水に水を加えて薄め、濃度5%の食塩水を1000mℓ作りたい。
20%の食塩水と水、それぞれ何mℓずつ混ぜればよいか。
④食塩水+食塩水の場合
濃度20%の食塩水と10%の食塩水を混ぜて、濃度17%の食塩水を1000mℓ作りたい。
それぞれ何mℓずつ混ぜればよいか。
***
この問題のポイントはそれぞれの食塩水に含まれる食塩の重さを考えるところにある。
この問題を初めて見たのがいつのことだったのかは、覚えていないのだけど。
衝撃だったのは、濃度20%の食塩水とは、100mℓの水に20gの食塩をいれたものではない、と知ったときだった。
100mℓの水に20gの食塩を入れると、全体の重さは120g、その中の食塩は20gなので、濃度は20÷120=0.1666…となる。
20%の食塩水を100mℓ作るには、980mℓの水に20gの食塩を入れるのだ。
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(追記②)
すみません。
980mℓではなくて80mℓですね。
上の1000mℓに引っ張られたようです。
失礼しました。(⌒-⌒; )
ご指摘いただいたあすかさん、ありがとうございました。
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そうか。食塩水の重さとは、水とそこに含まれる食塩の重さの合計なのだ。
そのことが、私にはとても新鮮だった。
……当たり前じゃないの?
そんな声が聞こえてきそうだけど。
私も今ならそう思うのだけど、当時は、水の中に食塩などを溶かしたとき、完全に溶けて見えなくなっていても、消えてなくなるわけでないということがとても、その、何と言うか、すごいことのように思えたのだ。
溶けてなくなっているように見えても、溶かした物は厳然として、その溶液の中に重さとして存在する。液体の体積は変わっていないのに。
(おそらく理科の授業で既に教わっていたのだろうが、とにかくいろいろボーっとした子どもだったので、聞いていなかったかもしれない)
なるほど、そういうことか。
この世の真理を、わずかな一端だけにせよ、理解した、そんな哲学的な(当時は哲学の意味も知らなかったけど)気持ちだった。
はっきりと断言はできないが、この開眼?覚醒?とでもいうべき体験が、この後々、私の物事の考え方や勉強の仕方、その他にとても影響を与えたのではないか、などとちょっと思ったりもする。(再び大げさ…)
まあ、こんなことばかりぼんやり考えていたせいで、肝心の成績は全くパッとしなかったのだけど。