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つれづれ雑記 *コインランドリーにはドラマがあって、という話
長かった梅雨もそろそろ終わりが見えてきたようだ。
今年の梅雨前線は、関西には平年よりも早くやって来た。日本中で暴れまわり、あちこちで甚大な被害を出した。
被害に遭われた方々には深くお見舞い申し上げます。
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連日の雨。
雨は、そこまで嫌いではないけれど、洗濯物が乾かないのが困る。
子どもらが小さかった頃は乾燥機があったのだが、10数年前に動かなくなって処分して以来、そのままになっている。
まあ、なければないで何とかなるもので、雨が続くときは部屋に干し、それでもどうしようもないときはアイロンをかけたりして乗り切ってきた。
先日、買い物に行く途中で、近所にコインランドリーがオープンしているのを見かけた。
コインランドリーは、今まで身近に(つまり徒歩圏内に)なかったので、あまり利用したことがなかったが、これからはたまに利用してもいいかもしれない。
コインランドリーは、不思議な空間だ。
いろんな人たちが集まってくる。
そして、時間帯や日によって、顔触れが変わる。
洗濯ができるまで、座って待っている人もいるし、どこかへ行っていて洗濯が出来る頃に戻ってくる人もいる。
利用者同士で話をするわけでもなく、みんな黙々と(当たり前だけど)用事を片付けて、さっさと帰ってしまう。
それでも、少なくともその間だけは、皆でその空間を共有しているわけで。
コインランドリーは、何だかいろんな人の人生が、ほんのわずかだけど交差する場所のような気がする。まるで駅のように。
ずっと以前、友人から貰った柳ジョージのカセットテープ(!)の中に「コイン・ランドリー・ブルース」という歌があった。
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真夜中のコインランドリー
冷たい雨が窓を叩いて
最後の服を洗い終わったら
此の街を出て行こう
寝静まった夜更けの通りに
此処だけが明かりを点けてた
俺たち二人が初めて逢った夜も
まるで灯台の灯のように
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真夜中の都会の片隅。小さなコインランドリーから暗い通りに明かりが漏れている。
人影の消えた街角で、それはまるで真っ暗な夜の海に浮かぶ灯台の灯。
そこで男と女は出会った。
女は北国生まれのシングルマザー。
子どもを誰かに預け、この街でダンサーとして働いている。
男は、何かやらかして、元いた場所にいられなくなり、この街に流れてきた。
自分の犯した過ちと未だ向き合えないままだ。
2人は、お互いの傷を舐め合うように心を寄せ、やがて恋に堕ちる。
まるで映画のような物語が、柳さんのちょっとハスキーな歌声で展開する。
メロディーも素敵で何度聞いても切なくなる。
この話を娘たちにすると、昭和の都会のコインランドリーならいざ知らず、令和の、しかもこんな田舎の街ではそんなドラマは生まれないよ、と言われた。
それは…そうだろうけど、さ。
まったくもう、ロマンを解さないヤツらだぜ。
と、私は心の中でつぶやいた。
「そばかすマリア」「北回帰線の空の下」「アウトロー物語」…
友人に貰ったカセットテープに入っていた柳さんの歌にはどれも切ないストーリーがあって、私は全部大好きだった。
あのテープ、まだどこかにあったかな。
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ここで大多数のnoterさんがされているように曲のリンクが貼れたらいいのでしょうが、残念ながら、機械音痴の私にはハードルが高すぎて、無理です。すみません。(汗)
「コイン・ランドリー・ブルース」
興味がおありの方はぜひ聞いてみてください。
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