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機関投資家のマストアイテムFACTSETから見る米国経済の現在地

皆さん、FACTSETというサイトをご存知ですか?
FACTSETは、米国の機関投資家が全員見ていると言われるデータサイトです。

FACTSETにはEarnings Insightというファイルが毎週更新され、米国の企業のその時点での利益成長率の予測変化から、決算発表時の様子や発言といった細かな要素までまとめて毎週更新してくれる、非常に参考になる資料です。
英語なので読みづらいのですが、英語が得意な方はぜひ原文をチェックしてみてください。

今日は2022/3/11に更新されたそのEarnings Insightの内容を確認しながら米国経済の状況を確認していきたいと思います。

なお、このnoteには純粋なデータのみを記載したいので私の考えなどはまた別記事でアップさせていただきます。

主要数値

・利益成長率
2022 Q1のS&P500企業の利益成長率は4.8%。これは2020 Q4以来の低成長。

・利益成長率の下方修正
2021 12/31時点での利益成長率予想は5.8%だった。約2ヶ月間で利益成長は7セクターの減益が予想される。

・今後の見通し
2022 Q1について65社がマイナス、29社がプラスのガイダンスを発表している。

・バリュエーション
S&P500の予想PERは18.5。5年平均18.6を下回り、10年平均16.8を上回る水準。


上記のように、S&P500企業の決算の中で、昨年末から利益予想を引き下げている企業が増えています。
強烈なインフレとウクライナ情勢の悪化はやはり景気にとって重荷となりかけているようです。

今週のトピック

①Q4決算説明会で「インフレ」という表現をした企業は過去10年以上で最多の365社。過去5年平均となる144社を大幅に上回った。

②企業の純利益率予想値は12.4%⇨12.2%へと悪化してきている。特に工業セクターは悪化を牽引してしまっている。(8.8%⇨7.9%)

③12/15〜3/11までの決算説明会で「ウクライナ」と発言した企業は45社。

見通し


2021年 Q4のS&P500収益成長率は31.2%、売上高成長率は16.1%。通年では47.7%の増益、16.5%の増収が見込まれている。

2022年Q1のアナリスト予想は利益成長率9.1%、売上成長率8.9%と予想されている。

2022年の株価は10.6%下落し、EPSは3.1%上昇している。アナリスト達は1年間で24%の株価上昇を予想。

セクター別では通信サービス、一般消費財、ITセクターが30%値上がると予想され、エネルギー株(+1.7%),公益株(+6.7%)に関しては控えめな上昇を予想。

小ネタ

ウイスキー"ジャックダニエル"等で有名なアルコール飲料大手Brown Formanは3/4の決算説明会の中で「7月に本稼働させる予定で採用を進めてきたチームに関しても現在の情勢を鑑みて採用を一時停止している」と発言した、という内容。

以上が3/11発表のFACTSETから抜粋した内容でした。

次回記事にて米国株、日本株について私の考えを書いて行きたいと思います。

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