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結婚とはなんだ

だいぶ前だが、「ずっと独身でいるつもり?」をアマプラで観て、号泣したことがあった。

私は、もともと、雨宮まみさんというこの映画のもとのエッセイを書いたライターさんの大ファンで、それもあって観たんだけど。
なんだかいろいろ人生単位で考えさせられる映画だった。

映画で号泣したのなんか、ほんっとひっさしぶりだった。
だから、そんな自分に驚いた。

でも、もう一つ驚いたことがあった。
それはこの映画を観た後に、

「うーん、私にとって結婚って幸せな選択肢なのかなあ」

と初めて、心が揺れ動いたことだ。


私は小さい頃から結婚することが夢だった。

家族ごっこでは奥さん役を誰よりもはしゃいでやっていて、周囲がその本気度に若干ついていけないくらい、もうそれくらいの勢いでやっていた。

中学になっても、高校になっても、大人になっても。
私の「結婚したい!」という願望は変わらず、ずっと「早くその日が来ないかなあ」と心待ちにして生きてきた。

10代後半に、自分の中の精神疾患、そして、発達障害がわかった。
その時はその時で、「私が結婚していいのだろうか?」と少しは考えがよぎることもあったけれども、基本的には「結婚したい」という強い気持ちは揺れ動かなかった。


それなのに、「ずっと独身でいるつもり?」を観ていたら、泣いた後に、今までびくともしなかった「結婚したい」に少しヒビが入っているのに気づいてしまった。

そのヒビというのも、悪い意味でのヒビでなく、なんだか「ちゃんと人生を考えなさいよ」と言われたような、そんな気持ちのヒビだった。


映画「ずっと独身でいるつもり?」は、「結婚」という概念がもたらす、女性の「生きづらさ」を丁寧に繊細にでも赤裸々に表現している。

作中に出てくるのは、結婚をなかなかしていない人、結婚後の生活にうんざりしている人、様々な人が出てくる。

今まで、自分が「キラキラとしたゴール」として思い描いていた「結婚」が、この映画を観たら、とても鋭い現実に思えた。

それで、ちょっと考えてしまった。

「結婚とはなんだ」。
「結婚とは自分にとって本当に必要なものなのか」。

考えても考えてもわからなかった。
たしかな答えはわからなかった。


ただ、ずっと考えていて、たしかに言えるのは、私は「やっぱり結婚したい」だった。


たしかに、この映画を観て、私の「結婚したい」という願望にはヒビが入った。
でもそれはいい意味でだった。

今まではふわふわとした、まるでお姫様になるような気分の「結婚したい」だったのが、今では、この映画のおかげで、「現実的なもの」として考えられるようになった。

そのことが嬉しかった。
なんだか成長した気がした。

この映画に出会えて良かったと思う。

私は、この映画を観て、自分のことしか考えられなかった。
でも、中には、この映画を観て、「女性特有の生きづらさ」だったり、「社会の問題点」について考えを深める方もいらっしゃるだろう。
それくらい、この映画は意義があるとても素晴らしいものだと思う。

よかったらまだ観ていない方は、ぜひご覧ください。

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