音楽の聴き方 その2
今回のnoteのテーマは“音楽の聴き方 その2”です。前回はレコードとサブスクの楽しみ方の違いがテーマみたいな感じでしたが、今回は自分の音楽遍歴を辿りつつ、新たな音楽の聴き方、楽しみ方を提案できたらと思います。ただ、「チラシの裏」感もややあるので、軽い感じで読んでみてください(笑)。
・ 学校で
まずは自分と音楽との出会いを……。人並みに幼稚園児の頃から音楽や歌が好きでしたが、今の自分に繋がる音楽の原体験は小学生のときに学校の放課後に校内放送で流れていたビートルズの「イエスタデイ」のような気がします(収録アルバムの『Help!』を貼っておきます)。ビートルズを知って以来、当時放送していたビートルズのアニメ番組と実写のモンキーズのバラエティ番組を欠かさず観たり、レコードを買ってもらったりして……。家には古いエレクトーンやクラシック・ギターがあり、時折触っていたものの全然弾けなかった記憶があります。
・ メディアで
歌謡曲は人並みに好きでしたが、とりわけ大沢誉志幸さんが好きでラジオも良く聴いていました。キッカケはやっぱりテレビかなぁ。大沢誉志幸さんのルーツはソウル・ミュージックにあったそうでラジオでも良く紹介されていたのでジェームス・ブラウンも聴いてみましたが、子供心に「大沢誉志幸と全然違うじゃないか」と思った記憶があります(笑)。代表曲はやっぱり「そして僕は途方に暮れる」かな。収録アルバムの『CONFUSION』のほか、デビュー・アルバム『まずいリズムでベルが鳴る』も良い感じです。今聴くと魅力的なベース・ラインの曲も多くて、コピーしたことはなかったけど自分のプレイ・スタイルの根底にあるんだろうなと思いました。
中学生の半ば頃からは、FMのカウントダウン番組やテレビのベストヒットUSAを経て洋楽全般も聴くようになり、次第にハード・ロックやメタル方面にはまり、楽器に興味を持ち、エレキ・ベースを買ったのは中2の冬だったと思います。わりとありがちな流れかもですね(笑)。気になるアーティストを見つけたら、レンタルCD屋さんでアルバムを借りてきてカセットにダビングして、というスタイルで音楽を聴いていました。つい最近処分してしまったけど、カセット・テープは数百本あったと思います。
・ 江川ほーじんさんで
高校生になり、学校でバンドを始めてから爆風スランプを知り、江川ほーじんさんに憧れ、当時のベース・マガジンの記事を追いかけ、ほーじんさんが頻繁に紹介していたラリー・グラハムを知り、スライ&ファミリー・ストーンにたどり着き、ファンクというジャンルを知りました。『Stand!』を聴いた時は「スラップ全然やってないじゃん」って思ったけど、ロックにも通じる楽曲の親しみやすさとアツさでスライはよく聴いていました。
・ 初期衝動で
そういえば中学生のときに凄く好きだったのがストライパーで、なかでもバラードの曲がお気に入りで、「なんて良い曲なんだ!」って本気で感動していました。アルバムとしては『To Hell with the Devil』とかですが、今聴くと……まあでもやっぱり嫌いじゃないですけど(笑)、当時はあまりにも感動して「こんなにも良い曲があるならほかにもあるはずだ!」と、夢中で新しいアルバムやほかのアーティストを探したりして、それが音楽にハマった原因なのかなと思います。
高校生くらいになると「最近は中学の頃に聴いてたような良い曲が少なくなったなぁ」なんて思ってたんですけど、実際はもちろんそんなことはなくて、大人になってから「あれは初期衝動だったんだ」って気が付きました。それでもバンドや音楽は今も好きでいられるから、初期衝動とは違う音楽の魅力にハマっているのでしょう。それが何なのかは今もわかりません。
・ 芋掘りで
高校を卒業してからの音楽との付き合いは、趣味というにはあまりにもハマり過ぎたともいえるし、ほかにやりたいことがなかっただけかもしれません(笑)。その頃の音楽の聴き方を僕は“芋掘り”と称しているのですが、気に入った音楽を見つけたらクレジットを見て、そこにあるミュージシャンの名前や関連のアーティストを調べて、芋づる式に掘っていく感じです。そうやって見つけて好きになったアーティストのひとりがウィリー・ウィークスであり、前回のnoteでも書いたクレジットの重要性にも繋がるのですが……。
今は街中で「あ、良いベース・ラインだな、誰が弾いているんだろう?」と思えばネット検索して新しいアーティストを見つけることもできるし、時代に合った芋掘りのやり方があるとは思います。因みに芋掘りのメリットは無限に聴きたい音楽が増えていくことですが、弱点は流行にとても疎くなることです(笑)。僕はニルヴァーナをはじめとするグランジ系がごっそり抜けました。
・ 良い音楽はたくさんあります
さて、そろそろまとめます。自分の音楽人生を振り返れば、改めて色々な形で音楽と出会っているんだなと思います。出会った人に教わった音楽も多く、人に恵まれているとも思います。
音楽講師として生徒さんと音楽のお話をしていると、僕の知らないジャンルや楽曲に出会うことも多くて、とてもありがたいです。好きか嫌いかの判断は早くなりましたけど、それでも食べず嫌いはもったいないので、幅広く聴いていこうと思っています。反対に、生徒さんに紹介した楽曲を気に入ってくださることがとても多いとも実感します。生徒さんの聴いている音楽が少ないという事実もあるかもしれませんが、問題はそこではなくて「世の中には良い音楽がたくさんある」という、ごく当たり前のことなのだと思います。「流行っているのが良い音楽」、という側面も否定はしませんし、サブスクからオススメされて出会う音楽も良いのですが、自分の好みに合う音楽を能動的に探すことも是非オススメしたいです。
そこそこたくさん音楽を聴いてきたけど、まだまだ知らない素晴らしい楽曲に出会うことばかりです。有限な人生、聴ける音楽の数にも限りがあり、なるだけ良い音楽を聴きたいなと思います。
因みにこのnoteを書くためにapplemusicを聴いてたんですけど、すごく良いのを見つけました。スライの1969年のウッドストックの音源『Woodstock Sunday August 17, 1969 (Live)』です。以前からあったみたいですけど、初めて聴きました。凄い演奏だ。このnoteを書かなければ出会えなかったかもしれない音源なので、自分で自分に感謝です(笑)。