憧れの「おうちカフェ」やってみた
10年以上前、障害児の家族の自助グループを主宰していた。様々な活動をしていたが、その中の一つ、お料理が好きな人がランチを作って、近所の人や経管栄養をしている子どもなど誰でも来て、ランチを食べながら自由に過ごしてもらえるカフェの活動が大好きだった。私にとってもとても居心地のいい場所だった。
色んな事があって、自助グループの活動は終了したが、いつかまた、老後の自分の居場所(笑)となるような、手芸や木工などの手仕事をしたり、文庫の本を自由に読んでもらえる「おうちカフェ」をしたいな・・・と思っていた。
4月。フルタイムの仕事をやめた友人2人に「おうちカフェ」の話をすると、お料理好きのSちゃんが「私も自分の作った料理を食べてもらうのが夢だった」と言い出した。
もう1人のOちゃんも、「何にもせずにのんびりしたり、誰かとおしゃべりしながら手芸をする場所があったらいいなとずっと思ってた」と言った。
えー、そうだったんだ。思い切って話してみてよかった。3人とも同じことを思ってたんだ。
フルタイムから開放された(まるでブレーメンの音楽隊の用済みになった動物みたいな:(笑))私たちには、お金はないけど時間はある。そして、3人の共通テーマは、「60代、したいと思ったことは、どんどんやってみよう!」
という事で、まずは自分の知り合いに声をかけて、私の家で「知っている人限定のおうちカフェ」をやってみようということになった。
日を決め、仕事の休みにちょこちょこ会って、どんなランチがいいか、お部屋のレイアウトはどうするか、どんな風にみんなに知らせるかなど相談した。
チラシや予約用アドレスも作り、試食会でランチ内容も検討した。近所の自治会館でふれあい市があった時に、「差し上げます」コーナーで、素敵なお皿も4枚ゲットした。
私の家は、関西から関東に引っ越した時に、「自宅を開放して自助グループの集まりができる家にしたい」と思って建てた家なので、1階は10人くらいなら来てもらえる。
カフェの名前やロゴは、妄想している何年かの間に出来上がっていた。「おうちカフェことり」。夢に見たおうちカフェ。それがどんどん形になっていって、毎日準備しながらワクワクしていた。
5月25日、ついに「おうちカフェことり」オープンの日。
11時半開店だが、9時に集合。Sちゃんがお料理を作っている間、私とOちゃんは、玄関のウェルカムボード、手芸コーナー、ことり文庫、ドリンクバーの準備。Oちゃんは、今までコレクションしてきたマスキングテープを飾り付けのために大放出。大仏柄などへんてこな物もあり、そのたびに笑ってしまう。
開店時間の1時間前、ランチには用事があって来れないと言っていた近所の友人がお花を持ってお祝いに来てくれた。
「カフェ」と名前をつけてるけど、生活感あふれる普通の家そのままで、自分達だけ楽しんでいるみたいで、みんなどう思うかなーと、周知はしたものの3人とも少し心配だったけど、そのお花を見て、「周りの人たちも、そんな場所が欲しいと思ってくれているんだ」とわかって、心配が飛んでいった。
おうちカフェの中はこんな感じ。
そして、11:30。開店の時間。
最初のお客様は、Sちゃんとずっと一緒に働いていた人。スイカを持って来てくれた。次は20歳年下の私の上司。3歳のお子さんも一緒。
お子さんは、かぼちゃが大好きと聞いていたので、メニューに「かぼちゃ焼き」を入れた。新幹線はやぶさやお相撲が好きということも聞いたので、ウェルカムボードには、それらの写真やイラストを貼った。
もう1組、前の職場の同僚のUさんもお子さんを連れて遠いところから来てくれた。そして、娘が幼稚園に行ってた時のママ友も「わー、この家に来るの20年ぶり」と言いながらやってきた。
スポーツガールのUさんがフラワーアレンジメントが好きなことを知ってびっくり!お花の話で盛り上がった
子ども達はおままごとをしたり、車に乗って家の中を走り回ったり。私は久しぶりに家の中に子どもの声が響いて、うれしくて、ずっと一緒に遊んでしまった。
大人はランチを食べながら、のんびりおしゃべり。
自助グループをしていた時に、ボランティアで参加してくれていた方が偶然にも、Oちゃんの夫と同じ職場だったことが判明して、カフェの事を伝えたら、午後からたくさんの差し入れをもって来てくれた。
Sちゃんは管理栄養士なので、故郷岐阜の郷土料理を中心に、食材にこだわった栄養バランスがとれた優しい味のランチを作った。
食材などの実費をもらったけど、美味しさや安全、旬の物を食べる事を大切にしているSちゃんだから、もしかしたら持ち出しになったかもしれない(1回目だからしかたないか(;^_^A)
今回来てくれた人はみんな長い付き合いのある人なのに、おしゃべりしていると、しらなかったことがいっぱいで、色んな話題が出てきてあっという間に時間が過ぎていった。
閉店時間の3時。子ども達は、遊びに夢中で、帰るのを嫌がるくらいだった。みんな喜んで帰っていった。
何よりも楽しかったのは、私達3人。今回のお客様大人5人、子ども2人が帰られたあと、差し入れのお菓子を食べながら反省会。月1回ぐらいのペースで、今回と同じような形でしばらくやってみることにした。
来てくれた手芸好きの友人と話していて、自分の好きな手芸をする「ちくちくことり」も月1回始めることにした。こちらは平日の午前中。
本物のカフェにはなれないけど、知り合いが集まる場所になれたらいいな。
以前からちょこちょこ自宅前でしていた無人販売も引き続きしながら、晴れた日にはうちのガレージで、何人かと一緒にガレージセールもしてみよう。ことり文庫は貸出だけでなく、好きな本について語る読書会や、子どもたちに本を読む活動をしていたOちゃんの朗読会もしてみたい・・・。
夢はどんどんふくらむ。
何歳になっても、ワクワクは楽しい。
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