ブランコをもっと考えよう
公園の夜は静かだった。
月が高く昇り、木々の影を描いていた。
ブランコには二人の女性が座っていた。
彼女たちは親友で、同じ夢を持っていた。
お花屋さんになりたかったのだ。
「今日はいい天気ね。気分がいいわ」
富子言った。
彼女は長い黒髪を後ろに束ね、白いワンピースを着ていた。彼女は足を伸ばして、ゆっくりとブランコを漕いでいた。
「そうね。私もブランコに乗ると、子供の頃を思い出すわ」
美佐江が答えた。
彼女はショートカットの茶髪に、ピンクのワンピースを着ていた。彼女は足を曲げて、軽やかにブランコを揺らしていた。
「子供の頃は何がしたかったの?」
富子が尋ねた。
「私はお花屋さんになりたかった。富子は?」
美佐江が返した。
「私もお花屋さんになりたかった。でも、夢は叶わなかったわ」
富子が嘆いた。
「そんなこと言わないで。富子はまだ若いし、チャンスはあるわ」
美佐江が励ました。
「…でも、私はもう諦めたの。人生に意味を見出せないの」
「そんなことない。富子には私がいるんだから」
「本当?美佐江は私のことを大切に思ってくれるの?」
「もちろんよ。友達ってそういうもんでしょ?」
「ありがとう」
二人は笑顔で見つめ合った。月が優しく照らす中、ブランコはゆらゆらと揺れ続けた。
の時のブランコ。
現実にはこういうブランコがあります。
これで友情を確かめ合えるでしょうか?
確かに安全性はバッチリです。
お尻が固定されるので、どんな揺れにも落ちてケガすることはないでしょう。
しかし、このブランコに乗るということは力士みたいな恰好になるということです。
力士だったら友情を確かめ合えるかもしれませんが、結構狭くなります。
そしてここに入る力士となると極狭くなります。
ブランコとは子供だけのものではありません。
勇気や愛情や友情や、色んなものをブランコは与えてくれます。
しかし、このブランコはフィット感しか与えてくれません。
子供ファーストでいいとは思いますが、僕は大人にもブランコは必要ではないかと思います。
富子と美佐江の会話は特別なものではありません。
誰にでもあり得ることです。
しかし、公園にフィットブランコしかなかったら…。
「やっぱいいや」となるかもしれません。
それだけブランコは大人にも癒しを与える存在なのです。
ブランコをもっと考えて作って欲しいです。
僕からの願いです。