
Photo by
hamahouse
25時のお風呂
昨日の深夜1時くらい、お風呂に入ると窓(家の外)にヤモリがついていた。思わず「キモ!」と言ってしまったが、ヤモリを見るなんていつぶりだろう。
小学生の頃、ヤモリは祖母の家の窓によく出ていた。最近は祖母の家でも見かけることはない、というより気づけていないだけなのかもしれない。
小さな頃の方が「些細なこと」に気づけていた気がする。
道に落ちている大きい石だったり、家の壁の汚れだったり、月の形だったり。
今は夜空を見上げることなんて殆どない。
ふとした瞬間に満月に気づいて「あー、今日は満月かー」と思うくらいである。
「月が綺麗ですね」と誰かに伝えることもしない。(それは小さい頃もしていない。)
窓についたヤモリを見て思う。
なぜこんなに気持ち悪いのだろう。
4足で尻尾がついた小さな生き物、灯りに寄ってくる。自分に何か被害があるわけでもないが、その独特な動き方が嫌だ。
時々、こういう生き物に対して「可愛い〜」と言う女子がいるが、僕は不思議で不思議んちょだ(気持ち悪い変な語尾)。
もしその女子がヤモリを手の上に乗せることができるのなら、僕は認めようと思う。
手の上のヤモリを見ながら「ヤモリが綺麗ですね」と言うだろう。この言葉の意味は夏目漱石に聞きたい。
小さな頃に比べて、大きい虫にも、ツバメの巣にも、四葉のクローバーにも気がつけなくなったけれど、バイトと飲み終わりの深夜1時のお風呂を気持ちいいと思えるようになった。
これはこれで幸せだ。
いいなと思ったら応援しよう!
