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「手話とダンスで世界をつなぐオンラインUDスクール」に入ったら音楽の神様に土下座したくなった話(前編)

いまさら文字に起こすこともないと思っていたけど、
私は音楽が大好きだ。

よく聞くのはジャズやブラジル音楽。J-POPもボーカロイドも昭和歌謡も演歌も、聴くし歌うしライブも見にいく。

そんな趣味が高じて、20代の時はラジオDJをしたり、ジャズクラブで歌手をしていた。

その後、今の夫に出会い結婚して妊娠。その直後に、ジャズボーカルの新人オーディションに合格して師匠ら40人の大御所歌手と同じステージに立つ切符をもらった。

ところが、ほんの数週間で、なんとお腹の命が育っていないことが判明。

小さな卵を取り出す手術は、5日後だと言う。

え、コンサートは3日後だ!

医師にこちらのスケジュールを説明すると、
「この状態だとステージで大量出血する可能性もあるよ」と告げられた。

私は「絶対大丈夫」という根拠のない確信があり、反対を押し切って翌日も、リハーサルに参加。でも、この時点で、貧血もあって体調は微妙だった。

流産発覚から3日後。
お腹に、動いていない卵を抱えたまま、師匠と同じステージに出演するために日比谷公会堂の大ホールに向かった。

貧血気味な上に、微熱も出てきてフラフラだ。

万一を想定して、楽屋が一緒の仲間にだけ事情を話し「何かあったら救急車を呼んで欲しい」と伝えた。

そして、迎えた本番。

スポットライトを浴びたら、なぜか突然、体がぽかぽかと守られているような感じになった。客席には2000人。でも、不思議なことに全然緊張もしていない。喉もひらいてきて、めちゃくちゃ楽しい気持ちになってハイヒールで、自由気ままにステップを踏みながら私は「♪The The Lady is a Tramp」を歌っていた。


たぶん、音楽の神様がきてた。

何かに呼び寄せられてきてた。


一曲歌い終えて、楽屋に戻ったら、よくわからない滝が目から溢れてとまらない。一張羅のドレスがびしょ濡れになった。


客席に応援に来てくれていた歌手仲間によれば、私の歌が「今までで一番よかった」らしい。今思えば、当時はうずらの卵くらいの歌唱力しかなかったんだけど、全毛穴を開放する勢いでやりきった感じがある。



前置きが長くなってすみません。


そんなちょっぴり破天荒な私ですが、
音楽の神様には、時折お世話になっています。


音楽は、私にとってどんな存在かというと、
耳から注がれるエナジードリンクみたいに体を元気にしてくれたり、
心のモヤモヤをスッキリ洗い流して気持ちをクリアにしてくれたり、
歌えば全身を悦びで満たしてくれるような八百万の神さま的存在。


そんな、音楽の神様に、この度あやまらなければならないことがあります。


私はこれまで、歌詞をほぼ「音」として認識していました。

タイトルから読み取った世界観を勝手に表現していました。

全然、歌詞の意味を理解しようとしていなかった。

いつもお世話になっているのに、音楽の神様、ごめんなさい。


なぜ、こんな大発見をしたのかというと、「手話とダンスで世界をつなぐオンラインUDスクール」に出会ったから。

UD(=ユニバーサルデザイン)ダンスという、手話を取り入れたダンスのレッスンを受けたり、主宰の北村仁さんのパフォーマンスを見ていたら、
「音」ではなく「言葉」に感情を揺さぶられるという、初めての感覚を味わってしまった。

「♪香水」は知っていたけど、ドルチェアンドガッバーナが出てくる曲でしょ・・・くらいの認識だった。でも、JINさんがこの曲を表現すると、視覚的に主人公の心模様がグイグイ伝わってきて、なんかもう、主人公のことを他人事に思えなくなってしまう。なんてせつない想いをありのままに謳った曲なんだろう。ミディアムバラードなんかで感情移入するタイプじゃなかったのに。

香水に限らず「この歌、歌詞がいいよね」って言う人の気持ちなんて全然わからなかった。

ところが、UDダンスに出会ってから「え、ちょっと待って・・・これこんなイイ曲だったっけ?!」という新発見が止まらない。

歌詞には、未知なる世界が隠れていた。

ドラマティックなストーリーになっていたり、色彩豊かな情景描写があったり、主人公のリアルな心模様が深くしみわたってくる感じ。

いままで、全然素敵と思っていなかった曲が愛おしく思えてくることばかり。

いつもそばにいてくれた人の魅力に初めて気づいて、突然好きになっちゃった感じ。



いま「音楽の世界の新しい扉」を開いた感覚です。


後編へ続く

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