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2019年7月の記事一覧
【連載】訪問者4(魔法仕掛けのルーナ22)
(このシリーズがまとまっているマガジンはこちら)
アレクは砂利道に立っていた。両脇は背の高い石の壁で、正面にまっすぐ行くと左右に道が分かれているようだ。突き当たりに植え込みが見える。
「おっと、立ち止まるなよ。行った、行った」
急かされて振り返ると、先ほどくぐった煙のカーテンからジョージが顔を出したところだった。アレクは慌てて後ずさった。
間も無く煙の中からジョージが全身を現し、アレクの横
【連載】訪問者3(魔法仕掛けのルーナ21)
アレクは控えめにあたりを見回した。
通りから向かって正面、右側に戸があった。その他の壁面にはいくつも木の板が打ち付けられ、棚のようになっている。が、ほとんど何も置かれていない。どれも高い位置にあり、手前を天井から紐で吊って安定させているようだ。
視界の端で何か動いた気がしたので何の気なしに振り返ると、棚の上で丸くなっていたまだら模様の猫が、ゆっくりと瞬きをしたところだった。
えらくどっしり
【連載】 訪問者2(魔法仕掛けのルーナ20)
脇道に足を踏み入れたのは、ちょうどアレクが二つ目のサンドイッチを食べ終わった頃だった。大人二人が並んで手を伸ばせば壁から壁に手が届きそうな、細い道である。右方向に緩やかにカーブしており、先が見えない。ついさっき通り過ぎた地味な戸は、民家の戸だろうか?
やや先行して歩いているジョージは涼しい顔をしている。右手にぶら下げている紙袋には、まだ確かな重みがありそうだ。
「お、いたいた」
彼が独り言の