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旅行前に知りたいポルトガルの代表的な伝統工芸"アズレージョ" -ポルトガル大使館「アズレージョ 現代の対話」-

ポルトガル大使館パネル展「アズレージョ 現代の対話」

ポルトガル大使館パネル展「アズレージョ 現代の対話」

国立タイル博物館と Camões I.P.の協力で実現した展示会として、ポルトガル大使館で開催された「アズレージョ 現代の対話」パネル展へ訪問しました。

パネル展会場 ポルトガル大使館1F

パネル展会場のポルトガル大使館1階は、白が基調の上品なロビー。陽の光が差し込んで、心地よい明るさ。ポルトガルの暖かい陽の光を思い出させてくれるような、そんな空間です。

テーマ別に絞った説明と写真の展示で、アズレージョの歴史、様式、芸術性、ポルトガルでのアズレージョの存在価値、海外への輸出など、わかりやすい文章で、ポルトガルへ訪れる前には一度目を通したい内容です。

平日の昼下がり、洗練された温かい空間でこのようなパネル展を鑑賞するのも、贅沢なひと時でもありました。

ポルトガル大使館へのアクセス

ポルトガル大使館

ポルトガル大使館は、現在は広尾エリアにあります(東京メトロ日比谷線広尾駅から徒歩約8分)。お間違えの無いようにご注意ください。

ポルトガルが誇る代表的な伝統工芸、アズレージョ

年中温暖な気候、歴史的な都市、美しい街並み、温かい人々、おいしい料理とスイーツ。
日本から直行便はないものの、ポルトガルまでのアクセスは良く、旅情あふれる温かい雰囲気に包まれたユーラシア大陸最西端の国、ポルトガル

夕暮れのリスボン

そんなポルトガルの街を歩いていると必ず目にするものが、繊細かつ柔らかい伸びやかな筆調で描かれた鮮やかなタイル、アズレージョです。
街角、教会、学校、駅、レストラン、宮殿、ホテル、一般の住宅の壁など、街を歩いていると、とにかくいたるところで目にするのがこのアズレージョで、ポルトガルの街並みにさらに美しい彩りを添えています。
特に、伝統的な青で描かれたアズレージョに多く出会います。

アズレージョとは?

アズレージョとは、ポルトガルのタイルのことで、元はアラブ人によってスペインにタイル製造技術が伝わり、その後15世紀にスペインからポルトガルに輸入され、ポルトガルで国内生産が普及、ポルトガルを代表する伝統工芸としての地位を確立しました。

アズレージョ(マデイラ島)

特に、アズレージョをポルトガルから多く受注していたブラジルは、17世紀から18世紀にはポルトガル産のアズレージョを保護するために、ブラジル国内での生産が禁止されたほど、ポルトガルのアズレージョは芸術性価値の高いものとして認められていました。

2つのタイプのアズレージョ

アズレージョは、宗教的・世俗的テーマを表した具象画と、文様の大きく2つのタイプに分かれています。
多くの美しい文様のアズレージョのみでなく、実際にポルトガルを訪れた際には、宗教画のアズレージョにも多く出会います。
アズレージョは、イスラム文化のみでなく東洋からの影響も受けており、タイルに施された青の繊細な絵画は、どことなく東洋の雰囲気も感じ取ることができるかと思います。

アズレージョ(マデイラ島)

19世紀には、アズレージョが建物の外部や正面にも施されるようになり、日常的に目にするものとしての存在意義を確立していきました。

現代のアズレージョ

現代では、リスボン万博の跡地にできた新地区パルケ・ダス・ナソンイスや、リスボン海洋水族館の外装などをはじめとした多くの場所でアズレージョが使われています。

リスボンの街の一角

芸術性の高いアズレージョが集まる首都リスボン

首都リスボンは、芸術性の高いアズレージョが集まり、リスボン市内の国立アズレージョ美術館は、歴史的価値の高いアズレージョが多く収蔵されているので、ポルトガルの伝統文化や伝統工芸を触れる場所として、リスボン観光では必ず訪れてほしいおすすめの場所の一つです。

リスボンの街角。後方の壁画にアズレージョも。

リスボンの地下鉄では?

リスボン地下鉄

そして、リスボンの地下鉄駅内では、多くのアズレージョが飾られていますが、アズレージョのみでなく、絵画や彫刻なども楽しめ、まるで美術館のような雰囲気を醸しています。
主役のアズレージョを中心として、ぜひリスボンの地下鉄でのアート巡りも楽しんでみてはいかがでしょうか?

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