4月は緊張とともに
進学、進級おめでとうございます。
新しい環境の中で、この1ヶ月は、ドキドキわくわくの毎日だったことでしょう。
お教室でも、新学期の話題が飛び交っていました。
新しい学校や、担任の先生のこと。クラス替えで新しいお友だちが出来るかどうか不安に思うこと。クラブ活動のこと。
お子さま同士で情報を交換して同じ感情を共有したり、お稽古よりもお話に夢中になる場面もしばしばありますが4月だけは大目にみるようにしています。
なぜなら、この時期はちょっとした不安やストレスを感じていると思われる様子が見受けられるからです。
お子さまは、ストレスという言葉を口にすることはありませんが「つかれた」「つかれる」という言葉を使って表現することが多いようです。
そんな時は「おつかれさま、新しいクラスはどう?」などと、お声がけするようにしています。
「つかれた」を、ありのまま受け入れる、また何かあるのなら話を聞くことができるよ。という意志を示すだけでも安心につながると思います。
話を聞くと、単なる緊張からくるつかれなのか、何か問題が生じたことによるつかれなのかが見えてくるでしょう。
なるべくたくさん話をしてもらうことで、情報もたくさん得られます。
ぜひ、ご家庭でも、共感と傾聴を実践してみて下さい。
その際、自分から自由に話せるように、話を遮ったり、大人の考えを述べたりしないことを心がけてみて下さい。
さて、ストレスは緊張が長く続いた状態から生じます。
春は新しい環境の中緊張が持続しやすい季節です。緊張を感じる度合いは人によって異なりますが、多かれ少なかれ人は緊張します。
私は大変緊張しやすい子どもでした。特に楽器の発表会などでは緊張のあまり頭の中が真っ白になり、暗譜が飛んでしまうのは常でした。
そのため緊張しないためには?と、緊張についてい真剣に考えたこともありました。
今思えば、その時間練習すればよかったと思います。
緊張しない方法を色々試しましたが、どれもさほど効果もなく、結局は緊張して当たり前。
失敗したとしても、「ダメな私も私」と割り切って、ありのまま受け入れるのも時には必要だと思います。
そうして今に集中しているうちに緊張を楽しめるようになって来ました。
さて、まだまだ緊張の日々は続きます。健やかに過ごして頂きたいと切に願います。
※2023年5月号掲載