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おすそわけ日記 195「私の中の悪玉」

勇気を出して、十数年ぶりに健康診査を受けた。

甘い物大好きなので、糖尿病が心配だったから。

毒食らわばの勢いで、がん検診にもダイヴ。


半日がかりの検査の帰り道。

鼻からの胃カメラのせいで鼻血を垂らしながら、

私、エラい、と頑張った自分を絶賛していた。


そして昨日、診査の結果を聞きに行った。

ありがたいことに、糖尿病他、心配した病気はなかったのだが。

「LDLコレステロールと体重が問題です」


やはり、そこ。

毎度おなじみ、私の中の悪玉コレステロール祭り。

その上、五十を過ぎて、高校生の頃ばりに太った。

いや、元々太ってるけどね、前は太っても戻せたよね。

いつの間にか、痩せ方を忘れている。


帰宅後、ひとまずは何事もなかったことを母と歓ぶ。

二人でおやつを食べながら、悪玉対策のための食生活改善計画を話し合う。

ちなみに、うちの母は、大食らいなのに太らない体質。

よって、食事に注意を払ったことはなく、いつも好きなものを好きなだけ食べている。

この話し合い、ハードル高いわ〜。


とりあえず、こう云う食べ物は控えますと母に伝える。

「え、乳製品も!?今、食べてるのって、生クリームじゃん!?」

そうですよ〜。

泡だてた生クリームをバナナと一緒にクロワッサンに挟んで、これ、史上最強のオヤツですね〜。

「じゃあ、ダメなんじゃないの?」

ダメに決まってます。

だから、お母さんを巻き込んで、私が食べる生クリームの量を減らしたんじゃないですか。


生クリーム命で、自称、生クリーマーの私。

ひとから生クリームを貰うことはあっても、分け与えることなんて一度もなかった。

そんな私が母に生クリームを託す日が来るとは。

これはもう、血の涙、流すでしょう。


母が食べきれないと言って、ほんのちょっぴり残した生クリームを

トンビの様にかっさらう自分が切なかったよ、本当に。


食事はもうずっと玄米メインで来たものの。

オヤツには、生クリームとバターとチーズとヨーグルトと牛乳が欠かせない。

アロマの学校で、先生に「顔に乳って書いてあるよ」と指摘された過去もある。


長年のダイエットの経験上、乳製品を完全に断つのは無理。

あっけなく、リバウンドするから。

食べる量と回数を減らして、満足感とありがたみを味わう方向にしないと。


本当に美味しいオヤツを買うのを、

月に一回にすればいいのかなぁと二人で話す。

「美味しいパン屋さん、月一回に我慢しようか」

「小川軒のレイズンウィッチは、毎月の通院帰りに買って」

「ケーキ屋さんも月一かぁ」

「ホットケーキ焼くのも一回だね。」

うーん…おや?それだと、月に四回。

って、毎週じゃん!


でも、毎日三回オヤツを食べてる私にしては、

そこら辺が妥協線だと思うんだよね。


どうですか、私の中の悪玉さん。

それで許して貰えないですかね?


この夏、悪玉のご機嫌取りが、私の宿題。



【今日の一枚】1790年に出された、山東京傳作、北尾政美画の黄表紙『大極上請合売 心学早染艸(しんがくはやそめくさ)』に登場する悪魂たち。『山東京傳全集 第二巻 黄表紙2』水野稔編集代表、1993年、ぺりかん社発行より抜粋しました。黄表紙は、江戸の漫画みたいな物だとお考えください。母は昔、踊りの『三社祭』で悪玉を踊ったそうです。善玉ではなく。

【#つづく日々に】のタグをつけて、日常で心ときめいたことを投稿中。日常のよろこびをみんなでシェアしあって、笑顔が増えたら嬉しいです。

今日もおつきあい頂いて、ありがとうございます。

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大橋 あかね
毎日、書く歓びを感じていたい、書き続ける自分を信じていたいと願っています。