丸亀手島と地理院地図編。
いまさら気付いた地理院地図の見方について、お話しします。
私は常々旅行に行く際、3つの地図を参照しています。
ひとつ目はGoogle map、ふたつ目は産総研の地質図、みっつ目はお馴染みの地理院地図。
ひとつ目は食事場所や観光施設の営業時間を調べるときに、ふたつ目は現地の地理的な景観を分析するための事前学習ツールとして使う。
そしてみっつ目は、現地でのフィールドワークの際に手に持って携帯するという、まさに地図としての活用のために使っていました。
しかしながら、道具というのは、使い手がその役割を正確に把握してこそ真価を発揮するもの。
知っているつもりで、実はよくよく考えたことのなかった地理院地図の見方。
今日はそんなお話です。
現存十二天守・丸亀城はいいぞ
おはようございます。
私が今日来ているのは香川県丸亀市。
香川県下第二の人口を有する、歴史ある城下町。
丸亀城の威容は得も言われぬ存在感を放ち、高架を走る鉄道の車窓からもよくみえる。
実際に近づいてみると、マジでデカい!
日本で一番高い(諸説あり)石垣で守られた天守へ、ひィひィ息を切らしながら登りましょう。
美しさすら感じてしまうその石垣を、まるで一級品の芸術を鑑賞するかのようにねっとりチェック。
野面積み、打込接ぎ、切込接ぎ。
石垣の基本スタイルすべてが揃った丸亀城は、まさに石垣の大博覧会。
見惚れますね!
そして辿り着いた山上に佇む、ステキな現存十二天守の姿。
せっかくなので以前まとめた定義を再確認、丸亀城は独立式望楼型の天守ですね!
北を見れば瀬戸内海の多島美と瀬戸大橋が、南を向くと讃岐富士・飯野山をはじめとしたメサ・ビュートの壮大な景色が広がっています。
これこそ香川県!といった情景、とてもよきです。
往時の町割を残している城下町を、ふらりと散歩するのも楽しいです。
それは兎も角も、個人的には「乃木若葉は勇者である」の聖地であるという印象。
そんなはずなのに、せっかく土居珠子ちゃんの誕生日に来たというのに、観光協会の展示スペースを訪れるのを忘れてしまうという始末。
タマっち先輩ごめんよ…
丸亀港から讃岐手島へ
さて。ここからが本題です。
丸亀市域には塩飽諸島の有人島が含まれており、丸亀港からいくつかの航路が出ています。
本日のメインはそんな島のひとつ、手島でございます。
香川県丸亀市の沖合に浮かぶ小さな有人島、手島。
人口わずか17人の有人島でありながら、かつてはそれを優に超える数百人が暮らした集落がありました。
その文明の近景がどうなっているのかを確かめるために、観光地とは言い難い瀬戸の遠国へと、わざわざ足を運んだわけですね!
それでは行きましょう。
丸亀駅から徒歩5分、本島汽船丸亀港はこんな具合。
スタッフの姿は見えず、閉鎖されているカウンター、疎らな時刻表に無人販売機。
いつもの観光航路?というよりは、明らかに地元の方々した利用しないような、そんなローカルな感じがあります。
いざ乗船。
かつて乗った小豆島航路の高速船よりも小さい、ほんとうに地元の方々のための移動手段といったところ。
これでも60人が乗れるというのは驚きです。
そして何より、揺れる!マジで揺れる!!
飛ぶんですよね、船が!!!
どんよりとした瀬戸内海の車窓を眺めながら、いや、そんな景色を眺める余裕などあまりないまま、船は目的地へと舵を取ります。
今回の航路は複数の港を経由。
丸亀市側から近い島で順に広島、小手島、そして最後に手島。
ぽつぽつと乗船していた乗客たちは、広島や小手島でその多くが下船していました。
どういった客層なんですかね??
なんだかんだで丸亀港から約1時間、船は手島港に着岸しました。
無人待合所と公衆トイレはありますが、人気も活気も皆無。
まァ、両島ともに寂れている感は否めなかったのですけども…
さすがに商店どころか自動販売機すら無いのは、現代民として不便さを感じすにはいられない!
集落を歩いていると独特すぎる空気感、廃墟が乱立しているものの、ほんのりとした文明の名残というか、確かに人間が生活しているというのも肌身に感じます。
30年後の日本の島嶼部、過疎山間はこんなかんじになるんでしょうね…
そのほかにも歴史ある神社や鉱山跡があったり、江戸時代の高札があったり、面白いところも多いですが、なかなかにニッチ!
わたしはすきですけど()
地図の使い方には気を付けよう!
それではいよいよ今回の主役、地図パートの出番です。
島の西側にある海岸、島民曰く西浜へと向かいました。
事前情報では、名前の通り砂浜に広がっており、そこを歩いて北側にあるタングステン採掘場跡に行こうとしていたのですが…
やられたぜ!
はい、砂浜は完全に波の下ですね!
海の干満を考慮していなかった結果、満潮ど真ん中にぶつかってしまい、この始末。
崖なので北側へ向かうのはムリですね!!!
本質はコチラ、地理院地図を改めて確認してみましょう。
赤丸で付けた箇所が「干潟」。
「干潮時には水面上に出て、満潮時には水面下に没する砂、泥等からなる平坦な土地」を指します。
つまるところ「もしここを歩きたければ、あらかじめ干潮になる時間を調べる必要がある」というのは、地理院地図を通して事前学習で判断することが可能であったわけです。
狂いそう・・・!(静かなる怒り)
そういえば、大学3年の時の授業でこの資料もらっていましたわ…
しっかり「干潟」について書いてあるし…
なんだこれは…たまげたなぁ
おわりに
結論。
大学で学んだ内容なんて云うものは、半期詰め込んだだけでは使われずに流れてしまうんですね。
ガバガバどころかスカスカ、しっかり授業で学んだ内容を咀嚼しきれていない阿呆の末路。
わかっているふりをして、そのままいくというのがいけない。
地理院地図には気を付けよう!
とはいえ、本州方面を望む瀬戸内らしい多島美、これはこれでステキな光景であることは間違いないから…
再 走 し ろ