マガジンのカバー画像

長嶺茜の獄中記

5
雨浦監獄に収監されている女囚、長嶺茜の屈辱と恥辱にまみれた獄中生活を赤裸々に語ります
運営しているクリエイター

#女囚

獄中記 #04|新年のご挨拶

遅い新年のご挨拶大変遅くなりましたが、あけましておめでとうございます、長嶺茜です。 娑婆で過ごされている皆さまにおかれましては健やかな新年を迎えられているかと思われます。 私は今回の年越しも変わらず獄中で過ごし、特別な食事や自由時間もなく、臭くて冷めた飯を頬張りカビ臭い布団の中で新年を迎えました。 この通り新年といっても私のような女囚にとってはいつもの獄中生活と何も変わらないのです。ハレの日を享受する権利も奪われているのです。 はい、新年のあいさつが遅れてしまいましたの

獄中記 #03|真夏の獄中

今年も暑い夏でしたね。私たち女囚にとってもこの暑さは耐え難いものです。冬も冬で厳しい環境ですが私は夏の方がより辛く感じます。 今回は夏の雨浦監獄の辛さについてお伝えしていきます。 最悪の目覚め早朝から夏の苦しみは始まります。房内には当然空調はありません。近年は就寝時も冷房の使用が推奨されている中、私たち女囚は汗だくになりながら寝苦しい熱帯夜を過ごします。 夜中に何度も目が覚め、そのたびに汗で濡れた囚人服が肌にまとわりつき、寝返りを打つたびに不快感が増します。それでも起き

獄中記 #02|囚人服

こんにちは、735番こと長嶺茜です。今日も雨浦監獄から私のnoteをお届けします。 今回は囚人の象徴でもあり、私も着用を強制されている囚人服について語っていきたいと思います。 雨浦監獄の囚人服みなさんは囚人服というとどのようなものを想像するでしょうか。灰色一色の作業着のような服。オレンジ一色のジャンプスーツ。古典的なボーダー柄。ボロ布の貫頭衣。時代や地域などイメージする背景、あとはそれぞれの好みによって色々なパターンが有るかと思います。 いずれにしても共通しているのは、

獄中記 #01|囚人の挨拶

735番。業務上横領罪、懲役6年。異常ありません。今日も一日よろしくお願い致します。 いきなり仰々しい出だしで失礼しました。noteを始めるにあたって記事の初めには定型的な挨拶が必要かなと思ったのですが女囚の私が普通に挨拶するのも少し違うかなと思い、毎朝刑務所でしている挨拶をしてみました。 挨拶というよりは点呼ですね。これを毎日看守に向かって大きな声で呼称して私の一日は始まります。点呼内容はシンプルですが自ら囚人番号で名乗ると惨めな気持ちになります。 無機質な3桁の番号

獄中記 #00|自己紹介

本当に初めての方はまずこちらから読んでください こんにちは、初めての方ははじめまして、長嶺茜と申します…いや、長嶺茜と言う者でした、の方がいいかな。 というのも私は刑務所に収監されている受刑者。俗に言う女囚なのです。ここでは本名で呼ばれることはありません。735番という囚人番号が今の私の名前になります。 のっけから突拍子も無い自己紹介になってしまいました。今回は自己紹介も兼ねて私が刑務所へ収監された経緯についてご説明します。 順風満帆のOL時代今でこそ刑務所に収監され