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異世界本屋さん
通常、書店は本をジャンルごと、出版社ごと、作者ごと等で分類し陳列する。
それは客・店側の双方に目的のものを探しやすくし、かつ管理を容易にするためだ。
しかしそんな一般的なカテゴライズに中指立てて、
むしろ客が仕分けして!
くらいの勢いで営業するアナーキーな書店、
行ってきました。
株式会社 東豊書店
片付けられない女・練馬区代表の私が、
「あ、これはあかんやつや」
と絶望した混沌をシェアハピ🥰
JR山手線の代々木駅を出てすぐ、その建物は鎮座していた。
1964年に建設され、時代に取り残されたように当時のままの姿をさらすビル・代々木会館。
え?まじの廃墟やん。会いに行ける廃墟やん。
率直な感想はこれ。
後ろのドコモタワーが眩しいですね。
2011年の震災で最上階は崩落。
建て替えの話が出ては消え、出ては消えを繰り返してきた不死身の城塞。
このビルのテナント最古参が東豊書店だった。
扱う書籍は中国の古い学術書や専門書、
雑誌や絵本、紙媒体ならなんでもあった。
集められた本は店内に収まらず、
店の外の階段にも無造作に積まれていた。
店内はもちろんジャンル分けなし。
「探して」
と店主に言われ、ひとまず棚の間をゆっくり通ってみる。
通路は狭く、他の客もタイトルをじっくり見ながら探しているためすれ違うのもやっと。
とりあえず、中国語検定3級の私でも読めそうなレベルの本を探そうとウロウロ。
いや待って無理!!
探せない!!
結局1時間以上、行ったり来たりを繰り返し、
中国の古い神話や言い伝えをまとめた本(しかも英語版)を購入することに。
店主「欲しいのあった?」
私「あ…はい…」
店主「(そろばんパチパチ)まいどどうも」
私 (ああーそろばんさえも古の宝具みたい!)
とてつもない年季の入ったそろばんでした。
私が訪れたあと程なく代々木会館の解体が決まり、現在は更地になっている。
あの大量の書籍はどこへ行ったのか。
まぁ魔界の本屋みたいだったし、どこか違う次元で営業してるといいな。