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入江監督のトークショー付きで観た3回目の「室町無頼」
先週IMAXで2回観た「室町無頼」を入江悠監督のトークショーが名古屋であるというので3回目を観てきました。
この作品、観れば観るほど面白くなるスルメ映画でした。
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個人的な感想ですがIMAXより普通のスクリーンの方がオススメ!
IMAXで観たときはなんか全体的にゆるく見えるというか違和感がつきまといなんかイマイチかなと思っていましたが、どっこい普通のスクリーンでみたら全然印象が変わりました。たぶん、元々IMAXを想定して撮影されていないためにこの違和感が生まれていたのでは…
普通のスクリーンで観た今回は3回目にもかかわらず一番楽しめました。
映画では初めての時代劇だけど…
入江監督が初めて時代劇に取り組んだのが2015年放送のWOWOWのドラマ「ふたがしら」そのときに東映京都撮影所の洗礼を受けたとか。
きょうの舞台挨拶では構想から10年かかった作品と言っていたのでまさにこの「ふたがしら」の制作時期と同じ頃にこの「室町無頼」の企画が立ち上がったのではと思われます。
キャストの後押しで10年かけて完成にこぎつけた!
10年かかっても完成できたのはまさにキャストのおかげだったそうです。
大泉洋さんと堤真一さんが脚本を読んでやりたがってくれて、コロナで撮影が延期になってもスケジュールをあけてくれたと。
大泉さんに至っては最初に立ち回りをみたときはアクションシーンを減らさないといけないかと思ったほどだったのが、10年でしっかり立ち回りのスキルを上げてくれたおかげで今回のアクションシーンが実現できたと。
ちなみに大泉洋さんには「用心棒」の三船敏郎さん、松本若菜さんには「緋牡丹博徒」の富司純子さんを参考に観てもらったとか。
また10年かかったおかげで才蔵にぴったりの俳優、長尾謙杜という俳優が現れたと。10年前だったらまだ子どもで彼がこの役をやることもなかったと。
群衆シーンの苦労
群衆シーンのキャストは俳優集めに苦労し、京都だけでなく関西全体で俳優をかき集めたとか。エキストラ募集にはなぜか女性が多く、侍役には女性のキャストも混じっているそうです。
東映京都撮影所のスタッフも俳優も優秀で俳優は自分で役作りして動いてくれるし、経験豊富な助監督軍団の演出のおかげで群衆シーンの撮影が上手くいったそうです。
エキストラには自分がなぜこの一揆の場にいるかを考えて動いてもらったとか。
エキストラのキャストは冒頭の死体シーンと後半の一揆シーンとキャストが被っているとか。
時代劇への想い
監督が子どもの頃には「水戸黄門」や「暴れん坊将軍」など時代劇が普通にゴールデンで放送していてなじみ深ったと。
映画においても「十一人の侍」など東映の集団抗争時代劇が好きで、さらにさかのぼればマキノ正博(雅弘)監督の作品に心酔していて多くを学んだそうです。特に群衆の中で俳優の顔を見せるテクニックで水を飲んだりする場面を挟むことで俳優の顔をしっかり認識させていたりするのが凄く参考になったとか。
意外に実在した人物が!
本作は蓮田兵衛が実在の人物であることが予告でもアピールされていますが、実は彼以外にも実在の人物が!それが骨皮道賢であり、あの金棒を持った大男馬切衛門太郎だとか。
最後に
「SHOGUN将軍」や「侍タイムスリッパ―」のヒットで時代劇ブームと言われているけど、実際のところ現場は非常に厳しいと言い残していきました。