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「ミッドナイトスワン」のバレエ少女が大きく成長していた!「BISHU~世界でいちばん優しい服~」

地方発映画だけど、今年屈指のさわやかな感動作品だった!


愛知県一宮市の尾州地域発のご当地映画で「ミッドナイトスワン」のバレエ少女だった服部樹咲さんの長編映画初主演作品です!

服部樹咲さんは現在身長173cm

「BISHU」=尾州とは?

愛知県一宮市を中心とした尾張西部エリアから岐阜県西濃エリアを尾州地域というそうです。
尾州地域はイギリスのハダースフィールド、イタリアのビエラと並ぶ世界三大ウールの産地ということで物語は尾州の機織工場を営む家庭から始まります。

物語は…

史織は実家の繊維工場を愛する高校生

機織工場の家に生まれた史織は母に先立たれ、現在は父と二人暮らし。
史織には発達障がいがあり、細かいことにこだわりが強くて、ちょっとした大きな音にパニックを起こしてしまうことも。
家を出てアパレルを起業した姉の影響でファッションデザインを趣味にし、父の工場を手伝いながら、母代わりの叔母に見守られマイペースに生活していた。
ある日、親友の真理子が校内のファッションデザインコンクールに彼女のデザイン画をエントリーし、優秀賞に選ばれる。真理子はさらに地域のファションコンクールにこのデザインの服を作って出品しようと提案し、史織は生地から服作りに挑戦するが…
というお話。

「ミッドナイトスワン」から4年、あのバレエ少女は大きく成長していた!

「ミッドナイトスワン」では幼さの残る服部樹咲さんでした。

「ミッドナイトスワン」(2020)のバレエ少女役で注目された服部樹咲さんが本作の主人公史織役です。

舞台挨拶回で配られたポストカード

「ミッドナイトスワン」以降、女優として短編映画や配信ドラマなどに出演し、去年公開の「唄う六人の女」ではスピリチュアルな撒き散らす女役で長編映画に復帰していました。

大人っぽさが凄かった撒き散らす女の服部さん

現在は身長173cmという高身長を活かしてモデルとしても活動しています。
この作品のクライマックスでもモデルとしてランウェイを歩く場面があり、まさに彼女にぴったりの役柄でした。

脇を固めるベテランとフレッシュなキャストのバランスが絶妙!

やっぱり吉田栄作は白Tシャツ!

父親役が吉田栄作さんで史織が高身長なのもなんか納得です。叔母役の清水美砂さんはなんか顔も服部さんに似て見えます。清水さんは今村昌平監督作品の常連でもあった演技派なので少ない出番でもしっかりドラマを支えています。あと吉田栄作さんと清水美砂さんはドラマ「クリスマス・イヴ」でも共演していました。
姉役の岡崎紗絵さんは服部さん同様、名古屋出身で元々モデルだしでキャリアまで姉妹みたいで役にぴったり。
また親友真理子役の長澤樹さんは主演作品「光を追いかけて」「愛のゆくえ」での役とは真逆なハキハキしたキャラで演技の幅を見せ、史織と同じく発達障がいを抱える少年満役には「怪物」の黒川想矢くんが起用されている充実ぶりです。
そんなベテランと若手のバランスがちょうどいいキャストが物語に安定感を与えていて、地方発映画にありがちな素人臭さのない仕上がりになっていました。

青春、そして家族のドラマ

姉役の岡崎紗絵さんも名古屋出身

妻を亡くしてから一人で発達障がいを抱える娘と向き合ってきた父は、娘がコンテストでモデルに挑戦するなんて無茶だし、みんなに笑われ傷つく姿を見たくないとコンテスト参加に反対し、姉はそうやって妹には出来ないと決めつける父に反発。妹の自立を促すためにコンテストに協力し、親友の真理子も史織に寄り添いながらもケンカしたり複雑な想いに至ります。
そんな波乱を含みながら、史織は機織工場でコンテスト用の服の制作に生地作りからとりかかります。
生地作りの行程から服作りを描く映画は今まで観たことがなく、なかなか新鮮でした。
ドラマ自体はベタ過ぎる展開とも言えますが、そういう新鮮なディテールを描くことで全く飽きさせません。

実は監督も子ども時代名古屋に!

むしろ、こういうのでいいんだよというちょうどいいドラマがしっかり堪能出来る作品でした。
おそらく今年いちばんあたたかくて、気持ちがほっこりする映画です。
「ミッドナイトスワン」を観て彼女に興味を持った人は必見。
18日からは全国公開が始まるのでオススメです!

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