獣人映画好きにはたまらない内容だった!「動物界」
ほぼほぼ予備知識なしで観た「動物界」がまさに自分好みの獣人映画だったのでご紹介します!
物語は
人間が動物に変異していまう奇病が蔓延した近未来。
フランソワの妻もその奇病に感染し、施設に入れられていた。妻が南仏の新しい施設に移送されることになり、フランソワも息子のエミールと南仏に引っ越し新生活をスタートするが、妻を移送するバスが事故に遭い、新生物たちは南仏の森に解き放たれる。
妻を探すフランソワは警備隊のジュリアの協力も得ながら妻を森で探すが、その一方でエミールも奇病を発症し…
フランソワ役がセドリック・クラピッシュ映画などでおなじみのロマン・デュリスでジュリア役が「アデル、ブルーは熱い色」のアデル・エグザルコプロスと大好きな二人が共演しているのも嬉しいですが、内容も非常に興味深い作品になっていました。
獣人の見せ方がいい!
最初に登場する獣人が渋滞の路上で救急車から飛び出す鳥人間フィクスでその時点ではまだ片腕が羽になりかかっていたレベルだったのが、エミールが森で再会したときにはかなり鳥に近づいていて、自らの獣化に気づいたエミールが彼と親交を深めて行く過程、特にフィクスが飛べるようになるシーンなど、これまでの獣人映画にはなかったエモーショナルな展開いっぱいです。
毛むくじゃらのお母さんの少ない登場シーンもまた感動的な場面になっていて、単なる獣人の見世物映画になっていないのが素晴らしいです。
新生物と名付けられるだけあって、なんだかわからない生き物になっている人もいて、バリエーションもけっこう豊富で森の中にうじゃうじゃいるのもいい獣人好きにはたまらない場面でした。
この手の映画に多い獣人虐殺シーンもなく、人間と獣人の共存をさぐる展開が好きです。
これまでの獣人映画は
やっぱり最初はH.G.ウェルズの原作を映画化した1933年の「獣人島」でこれが今観てもなかなか面白かったりします。
次に1977年のリメイク作品「ドクター・モローの島」です。この時代には特殊メイクの技術もかなり進化していて、さらに1996年にもリメイクされたマーロン・ブランド出演の「D.N.A.ドクター・モローの島」もあります。
以来、本格獣人映画が途絶えて久しかったですがここまでたっぷり獣人が出てくる映画がまた作られてしかもドラマ的にも申し分のないクオリティで獣人映画好きには嬉しい限りでした。
日本でも手塚治虫が…
手塚治虫にも「きりひと賛歌」という奇病による獣人化を描く作品があり、かなりの傑作なんですがこれをNETFLIXとかで映像化してもらえないものでしょうか?