韓国映画の中では警察は間違いなく無能なのが凄い「市民捜査官ドッキ」
韓国で2016年に起きた事件を映画化した実録映画を観て来ましたが、これがなかなかの傑作でした。
物語は
クリーニング店を経営していたドッキは火災で店を失くし、銀行に融資を断られ絶望していたときにかかってきた詐欺の電話にまんまど騙され3200万ウォンを失ってしまう。
警察に訴えても捜査はまともにされず、諦めかけていたとき、彼女に詐欺の電話をかけてきた男からの詐欺組織の情報提供が。その詐欺のコールセンターがある中国の青島へ中国人の同僚ら連れて現場を抑えに行く。
情報提供者からさらに大量の画像が送られてきたことから警察もようやく動き出すが、内通者からの情報でアジトは移されることになり…
普通のおばちゃんたちが巨悪に立ち向かう!
韓国映画の中ではだいたい警察は無能に描かれますが、今回もまた警察は大いに役立たずです。
まずドッキの訴えをまともに聞かないし、捜査も他の大きな事件を優先してすすまず。情報提供で大量に情報が来てもなかなか重い腰を上げずドッキがアジトを突き止めたところでやっと中国と共助して逮捕に動くも、内通者のタレコミがあったりという杜撰さ。
どこまでが事実かわかりませんが、あからさまに警察批判のスタンスです。
美男美女はおよびでない!
中心となるのはドッキさんをはじめとするおばちゃん連中で、犯罪グループの人たちはカイジみたいな世界で酷く汚ならしく、美男美女が入り込む隙もない世界観。
そんな中でしっかり笑いもあって、サスペンスもあって泣かせもする。それを実話ベースの物語でやってしまう。韓国映画の底力はハリウッドでは作り得ないこういう作品をヒットさせるところにあります。
韓国映画は観るけど、あんまり俳優に詳しくない自分には観たことあるような顔がいても、何に出ていたか思い出せないレベルのキャストたちでしたが、逆にそれがキャストに先入観を持たずに観れて良かった気もします。
おばちゃん主人公でもバイオレンスはあったりする
終盤の空港のシーンでは詐欺集団の元締めと対峙する展開まであり、そこで逃げないドッキさんは凄すぎます。
ぼこぼこにどつかれても諦めずにあることを仕掛けるのとか、超痛快です。
警察は全てが片付いてから現れて、ドッキさんに頭を下げるという場面も。
こういうシーンを観るとやっぱり韓国人は警察に対していつも怒りを抱えているんだろうなあと思います。
実際の事件がどうだったかはわかりませんが、映画としては大満足な仕上がりでした。