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川上さわ監督&綴由良さんの舞台挨拶付きで観た異形の傑作「地獄のSE」

シネマスコーレで川上さわ監督と主演の綴由良さんの舞台挨拶付きで「地獄のSE」を観てきました。去年もイベント上映で1度観ているので2度目の観賞。前回より今回の方がだんぜん楽しめました。

中学生男子の天野&吉行を女性が演じる

物語は

14歳の天野は変態の早坂さんが好きすぎて親友の吉行を見張にして女子トイレの汚物入れからあるものを手に入れていた。
早坂さんもまたクラスの女子に片想いしていておかしくなりつつあった。
天野と吉行の下校途中、島倉が絡んできて、一緒にペットショップで犬を盗んでカラオケに行く。天野と吉行はそんな島倉に圧倒されながらも、天野は早坂さんが好きすぎて島倉の異変に気づいていなかった。
島倉や先生が自殺してしまうなか、文化祭が決行され、早坂さんは学校で凶行に出る。天野は天野でトイレで首を吊り…

綴さん演じる天野くんがかわいい!

冒頭から最後まで滅茶苦茶な映画だけど


二人とも映画ともども魅力的!

舞台挨拶でシネマスコーレの坪井支配人はこの作品を映画の文法に縛られずにやりたいようにやっているのが凄いと絶賛。
川上監督によるとこの作品はカナザワ映画祭のスカラシップ作品でありながら、制約は70分以上という条件しかなかったとか。
川上監督は元々長いものを作りたかったのでありがたかったと。
綴さんとは短編「散文、ただしルール」に出演してもらってもいたけど、オーディションはうけてもらいいろんな役をやってもらったとか。
綴さん的には人生経験的にオーディションが楽しかったそうです。
早坂さん以外の役をいろいろ演じてもらったそうですが、あまりにも天野だったので天野役に即決したとか。
オーディション時にはすでに脚本が完成していたそうですが、オーディションの時には企画書と3シーンほどの台本が渡されていたと。
綴さんは企画書の段階でしっかり面白くて信頼して現場に入れたそうです。
監督によるとこの作品は画コンテを作らず、俳優の演技を見て作り上げていったそうです。
役が俳優によって変換されたものを取り込んで撮影するのでキャスト違えば全く違った作品になったのではと。

独自のスタイルはどこから生まれたのは?

去年の監督の舞台挨拶ではあえて古いカメラを使ってあの映像を作り出し、字幕を入れたのだと語っていました。
監督は演劇もやっているそうで綴さんとは次に演劇で一緒に仕事したいと言っていましたが、あのセリフの面白さ演劇から来ているものなのかもという気がしました。
監督の頭にあるものを映画の文法に当てはめるのではなく、頭の中にあるものをいかに表現するかということに力を注いでいるのでありきたりじゃない表現になっているそうです。
滅茶苦茶の展開なのになぜかわかる感覚があるのはしっかりと人間の根底にあるものをひねり出しているからなのかなと思いました。

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