劇映画なのにドキュメンタリーみたいな空気感だった理由が舞台挨拶でわかった「ふれる」
2023年のぴあフィルムフェスティバル準グランプリ作品「ふれる」を高田恭輔監督とキャストの水谷悟子さんのトークショーつきで観てきました。
内容的には明らかに劇映画なのになぜがドキュメンタリー映画のような空気感のある不思議な仕上がりで、その謎がトークショーであっさり解けました。
物語は
数年前に母を亡くした美咲は不登校の小学生。最近家には父の新しい交際相手がくるようになり、なにもかも嫌になった彼女は家出する。
森の中を歩いて、道へ出ると提灯行列に出くわし、死んだはずの母に声を掛けられ…
なぜかドキュメンタリーみたいな空気感
ちょっとファンタジーも入った不登校の少女の日常を描く内容でストーリーもあってないようなものでした。
はじまってすぐになぜかドキュメンタリーを観ているような空気を感じ、それが不思議でしたが、監督が舞台挨拶でこの作品はト書きだけの台本で撮影されていたことや、演技初経験の美咲役の鈴木唯さんのたたずまいを生かすためにそういう空気感で演出していたことが語られなんか腑に落ちました。
脚本もキャスティングをした時点のものとはかなり変更点が多いらしく、水谷悟子さんは本来母親役でキャスティングされながら実際には再婚相手役になっていたとか。
監督もキャストも鈴木唯さんに全神経を注いでいた結果がきっちり作品に出ている反面、それに振り回されて物語性が希薄すぎるきらいもあります。
ジョビィキッズの子役をキャスティングしているのに自主映画?と思ったら大学の卒業製作だったと聞きこれもなんか納得。
監督は今後も映画を製作していくのかは不明ですが、鈴木唯さんが俳優を続けたらなんかすごいことになりそうな気もする作品でした。