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京都を舞台にした女性の職業映画はなぜこんなにも面白いのか?「つぎとまります」
シネマスコーレで片岡れいこ監督(女優の片岡礼子とは別人)の舞台挨拶つきで観てきました。
先日観た「侍タイムスリッパ―」の安田淳一監督による京都のお米農家になるヒロインを描く「ごはん」といい、京都の京阪交通でバス運転手になるヒロインを描くこの作品というシンプルな女性の職業映画が立て続けに面白くて気になりました。
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物語は
小学生の頃、京都の越境バスで通学していた美南は自分に優しくしてくれたバス運転手に憧れ、家族で広島に引っ越したにもかかわらず、京都の戻って京阪交通のバス運転手に就職する。
教習用のバスは古い型で何かいわく付きだと先輩たちがウワサしているのを聞き怖気づく美南だったが、そのバスでは彼女のピンチときに昔憧れた運転手さんが現れ、彼女を手助けしてくれ…
秋田汐梨がまっすぐな女子を好演!
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秋田汐梨というと「惡の華」とかなぜか闇のある女子役がなぜか多く、この作品のヒロインをしているのは不思議なくらいでした。
しかし、見た目は普通にかわいい彼女なので普通の女の子を演じてダメなはずがなく、日本一のバス運転手を目指し、愚直に努力する姿は普通に心打たれます。
まさかの渋谷哲平
オープニングでキャストの名前に渋谷哲平の名前があり、今はどんな感じなっているんだろうと今か今かと待ちわびていましたが一向に登場せず…いや、彼は早々に登場していたことに物語の半ばまで来たときに気づきました。
ヒロインが働くバスの営業所の渋い中年の所長こそが渋谷哲平さんでした。自分の頭には昭和のアイドル時代の姿が焼き付いていて、現在の渋いおっさん姿にはなかなか結び付きませんでした。
渋谷さんはまったく当時の片りんを感じさせず、貫禄ある所長さんを演じ切っていました。この作品で渋谷さんも発見されるのではと思うほどのはまり役でした。
監督野想いは…
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監督はバス映画ってあんまりないから挑戦してみようと思ったとか。バス映画といえば「スピード」とか「狂った野獣」とかアクションパニック映画の傑作があったりするので、バス映画はいいイメージ。
この作品のバスはお客さんも少ない田舎の路線バスですが、田舎なりのサスペンス溢れるシーンもあり、しっかりと後半を盛り上げていました。
職業映画にしてファンタジー
監督の構想では何かの化身がヒロインを見守るというのと、寝たきりの人が目覚めて主人公に会いに来るという展開がやりたかったとか。
終盤はまさにその展開が見せ場になっていて、職業映画にも関わらずスピリチュアルな要素もあったりして、しかもそれが泣けるそれが展開にもなっていて、地味な題材ながらもしっかりとオリジナリティがあって楽しませてくれる良質な娯楽映画だなと思いました。