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あの力こぶの絵の秘密は…監督のトークライブ付きで観た「大きな玉ねぎの下で」
公開2週目に入った「大きな玉ねぎの下で」を草野翔吾監督のトークライブ付きで観てきました。公開初日に続き2度目の観賞です。
物語は
1989年、雑誌の文通欄で手紙をやり取りするようになった今日子と虎太郎はお互い爆風スランプのファンで武道館コンサートに一緒に行く約束をしていた。しかし、天皇崩御の影響でコンサートは中止になってしまう。
30年後、丈流は大学4年だったが就活もせず、夜のバーでのアルバイトくらいしいか一生懸命することがなかった。そのバイト先では週末だけスイーツのお店が昼間にオープンしており、そのスタッフと業務連絡をノートでやりとりするうち、お互いを励まし合う関係に。
そのノートでやりとりをする相手美優は実は看護師の研修生として丈流の母の入院先で働いており、二人は面識があった。しかし、その病院で顔を合わせる前にたまたま居酒屋で言い争いをして顔を合わせると気まずい感じに。
美優はノートの書き込みの相手が丈流であることを病室のメモにあった力こぶのイラストで気づき心躍らせていたが、丈流がノートでやり取りしている相手がスイーツ店のオーナーの沙希だということを知ってしまい…
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監督の映画裏ばなし
監督がこの映画に関して上映後にトークをすることは今回がほぼ初めてということでした。
監督がオファーを受けた時点で高橋泉さんの脚本が出来ていたとか。
監督にとって高橋泉さんは自主映画界で有名だった映像ユニット群青いろの人として憧れの人だったとか。なのでこの作品にも群青いろの高橋泉さんのパートナーである俳優廣末哲万さんに先生役で出演してもらったとか。
キャスティングに関して
主演の神尾楓珠さんは「彼女が好きなものは」で主演に起用していたので、再度主演をお願いするにはまだ早いかとも思ったそうです。今回はプロデューサーの提案での起用だとか。
ヒロインの桜田ひよりさんは「にがくてあまい」でもお仕事をしたことがあったそうでその頃はまだ子役だったとか。
西田尚美さんは前作「アイミタガイ」でヒロインの親友の母親役に続いて連続のお仕事。
江口洋介さんはラジオDJを楽しそうに演じていたとか。ラジオ局の撮影はニッポン放送だったのでそのまま撮影すれば良かったと。
ラジオの声で登場の坂上みきさんはアッという間に撮影が終わり名残惜しかったとか。
沙希役の山本美月さんとはお子さんの年齢が近くて離乳食の話ばかりしていたとか。
藤原大祐さんがアーティストということを思い出し、現場でギターを弾くシーンを追加したとか。
監督が撮影しながら一番ぐっと来たシーンは原田泰造さんがアイロンをかけながらお話する場面で撮影中から泣きそうだったとか。
撮影に関して
あのDoubleという主人公二人が働くお店はセットだったそうです。昼と夜の二人を1カットで見せるシーンは合成ではなく実際にそのまま二人に同時に演じてもらったとか。
撮影で他に大変だったのは中野サンプラザ前で歌いながら手が触れるシーンでそれをカット割らずに撮影したけど結局カットを割ったとか。
ちなみに中野サンプラザで撮影したのは爆風スランプのサンプラザ中野くんにちなんでとのこと。
公開後、武道館ライブのときの爆風スランプのマネージャーから監督に電話がかかってきて当時の裏話をいろいろ聞かせてもらったとか。
asmiさんの挿入歌「手紙」の歌詞の一部があのノートの言葉と被っているのはasmiさんに脚本にある言葉を引用してもらったからだとか。
あの力こぶのイラストは絵文字から逆算してデザインしたものだったとか。
短いトークライブでしたがなかなか沢山のエピソードは披露されて見ごたえある内容でした。