実は休業していたわけではない!ジョシュ・ハートネット改心の一撃「トラップ」
ジョシュ・ハートネットが主演をしているのを観てなんか久しぶりだなあという気分になりますが、彼は大ヒット作「オッペンハイマー」にもガイ・リッチーの近作「オペレーション・フォーチュン」「キャッシュ・トラック」にも出演していました!
全米では「デッドプール&ウルヴァリン」「ツイスターズ」と公開が被りそんなに大ヒットには至りませんでしたが、これがなかなか楽しい作品でした。
物語は
クーパーは愛する娘のため、大人気アーティスト、レディ・レイブンのライブのプラチナチケットをゲットし、親子でライブを楽しんでいた。しかし、そのライブ会場はいつしかっものものしい警備がしかれ、クーパーは口の軽い警備員からそのライブが凶悪犯ブッチャーを捕まえるための罠だったということを知る。そのブッチャーの正体こそクーパーで、彼はその厳重な警備の会場から逃れるため、レディ・レイブンを利用することを思いつき…
娘を愛する消防士の男の裏の顔が凶悪犯ブッチャーで今現在も青年を隠れ家に監禁している。現場にはベテランの女性プロファイラーもいて、犯人像を的確にとらえています。
そんな絶対に脱出不可能な状況下でのクーパーのズル賢さは痛快ですらあり、観ているうちに凶悪犯のクーパーの逃亡を応援したい気持ちにすらなります。
ジョシュ・ハートネットといえば
「パラサイト」や「パールハーバー」、「ブラックホークダウン」といった20年以上前の映画スターといったイメージですが、徐々にパッとしなくなったものの長期休暇していたわけでもなく、単にパッとしない期間が長く続いている俳優でした。
それがこの作品ではブランクを感じさせない堂々たる主演ぶり。
マザコンの殺人鬼役で「サイコ」を彷彿とさせるキャラでもありますが、その頭脳明晰さは「デスノート」のキラ並みでどんなピンチもあっさりと切り抜けて行きます。そのピンチを脱する能力でもって観客は彼に魅了されます。
シャマランはこの物語をハンニバルレクター目線の物語にしたかったとインタビューで読んですごくしっくり来ました。
実はシャマランの親バカ映画だった!
しかし、この作品、ハートネットの起死回生のための作品と思いきやシャマランの長女で歌手のサレカ・シャマランを売り出す為の作品と知りびっくりでした。
いつもカメオ出演するシャマランは劇中でレディ・レイブンの関係者役で彼女は自分の姪だと語りますが、実際は長女だったりしてまたびっくり。
思えば「オールド」も娘の提案で製作していたし、最近プロデュースした「ザ・ウォッチャーズ」は二女のイシャナ・シャマランの監督デビュー作品だったり、親バカぶりが半端ないです。
そして、「トラップ」で長女サレカをビッグスター役で起用するとかすげえなあと思います。
父娘でプリンスの「パープルレイン」みたいな映画にしようと楽曲作りも娘に託したとか。
劇中でハートネットが演じる父親も娘の為に頑張るよき父親でもありましたが、シャマランはその上を行く親バカだと実感出来る作品でした。
とはいえ「スプリット」とか「ミスター・ガラス」とかシャマラン印の異常犯罪者モノとしてかなりよく出来た作品でヒットしていたらシリーズ化もあったんだろうなあというエンディングでした。
個人的には続編が観たいです。
たぶん大人になってプロファイラーになった娘とクーパーが対峙する物語なんだろうなあ。