17日目:公的年金の給付 その1
1.老齢給付① 老齢基礎年金
1️⃣老齢基礎年金
老齢基礎年金は、国民年金や厚生年金保険に加入して受け取る方が、加入期間に応じて年金額が計算される年金です。
2️⃣受給資格期間
3️⃣老齢基礎年金の年金額
老齢基礎年金の年額は、780,900円(令和3年度)×保険料納付済月数÷480となります。また、20歳から60歳まで40年間保険料を支払った人で、1人1カ月6万5075円となります。
4️⃣老齢基礎年金の繰り上げ受給と繰り下げ受給
5️⃣付加年金
付加年金は、毎月の国民年金保険料に400円を上乗せして払い込むと、将来的に受け取れる年金額に払い込んだ金額が加算される制度です。
2.老齢給付② 老齢厚生年金
1️⃣老齢厚生年金
老齢厚生年金は、65歳から受け取ることができる老齢基礎年金に上乗せして65歳から受給できる年金です。厚生年金の加入期間や報酬比例部分、繰上げ受給や繰下げ受給などによって受給要件、支給開始時期、年金額が異なります。
2️⃣受給要件
老齢厚生年金を受け取るためには以下の要件が必要です。
厚生年金保険の被保険者期間が1か月以上あること
老齢基礎年金の受給要件である国民年金保険料の納付期間が10年以上であること
65歳に達していること
3️⃣特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢の引上げ
昭和60年の法律改正により、厚生年金保険の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられました。受給開始年齢を段階的に、スムーズに引き上げるために設けられたのが「特別支給の老齢厚生年金」の制度です。特別支給の老齢厚生年金には、「報酬比例部分」と「定額部分」があり、生年月日と性別に応じて、それぞれ受給開始年齢が異なります。
4️⃣年金額
1.特別支給の老齢厚生年金の年金額
特別支給の老齢厚生年金の計算例として、以下のような計算があります。 300,000円×7.125/1000×204ヵ月+400,000円×5.481/1000×252ヵ月=988,535円
2.65歳以上の老齢厚生年金の年金額
厚生年金の平均受給額は、65歳から70代後半までは14万円台で、80歳代になると15万円を超え、80歳代後半が最も高額となっています。
3.老齢厚生年金の繰上げ受給と繰下げ受給
老齢年金は原則、65歳から受け取れます。しかし、早く年金を受け取りたい人は最大60歳まで1カ月単位で繰り上げることができます。逆に遅らせてもいい人は66歳以降、最大75歳まで1カ月単位で繰り下げることができます。
4.加給年金
厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある方が、65歳到達時点(または定額部分支給開始年齢に到達した時点)で、その方に生計を維持されている下記の配偶者または子がいるときに加算されます。
5️⃣在職老齢年金
在職老齢年金は、厚生年金保険の被保険者であるときに年金額が支給停止となる場合があります。
※FP3級試験練習問題
以下にFP3級の試験問題と回答を作成しました。
老齢基礎年金についての問題:
問題: 老齢基礎年金の受給資格期間は何年ですか?
回答: 老齢基礎年金の受給資格期間は10年間です。
老齢厚生年金についての問題:
問題: 特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢は何歳から何歳までですか?
回答: 特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢は60歳から75歳までです。
年金額についての問題:
問題: 65歳以上の老齢厚生年金の平均受給額は何円ですか?
回答: 65歳以上の老齢厚生年金の平均受給額は14万円台から15万円を超える額です。
在職老齢年金についての問題:
問題: 在職老齢年金はどのような場合に支給停止となりますか?
回答: 在職老齢年金は、厚生年金保険の被保険者であるときに年金額が支給停止となる場合があります。
これらの問題と回答はFP3級試験対策に役立つと思います。