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36日目:所得税の申告と納付
36日目は、所得税の申告と納付について学んでいきます。
1.確定申告
1️⃣確定申告とは
確定申告とは、一年間の所得や控除額を税務署に申告し、正確な税額を計算するための手続きのことを指します。この手続きは、通常、毎年2月16日から3月15日までの間に行われます。
2️⃣給与所得者で確定申告が必要な場合
給与所得者でも以下のような場合には確定申告が必要となります。
年間の給与所得が2,000万円を超える場合
複数の事業主から給与を受け取り、その合計が20万円を超える場合
所得控除等を適用するために必要な場合(例:医療費控除、住宅ローン控除など)
3️⃣準確定申告
準確定申告とは、確定申告の一部を税務署が代行する制度のことを指します。この制度は、一定の要件を満たす給与所得者や年金受給者が利用できます。準確定申告を利用すると、税務署が所得税や住民税の計算を行い、その結果を通知します。
2.青色申告
1️⃣青色申告とは
青色申告とは、事業所得者が選択できる申告の方式の一つで、経理(簿記)の適正化を図ることを目的としています。青色申告を選択すると、様々な税制上の優遇措置を受けることができます。
2️⃣青色申告ができる所得
青色申告は、事業所得に対して行うことができます。具体的には、個人事業主やフリーランスの方々が対象となります。
3️⃣青色申告の要件
青色申告を行うためには、以下の要件を満たす必要があります。
事業の収支を正確に記録する会計帳簿を作成し、保存すること。
青色申告承認申請書を税務署に提出し、承認を受けること。
4️⃣青色申告の主な特典
青色申告を行うと、以下のような特典を受けることができます。
青色申告特別控除:所得から650万円を控除できます(白色申告の場合は48万円)。
損失の繰越控除:赤字(損失)が出た場合、その損失を翌年以降の所得から差し引くことができます(最長9年間)。
3.源泉徴収
1️⃣源泉徴収とは
源泉徴収とは、所得を支払う者(源泉)がその所得から所得税を徴収し、税務署に納付する制度のことを指します。例えば、給与所得の場合、雇用主が従業員から所得税を徴収し、税務署に納付します。
2️⃣年末調整とは
年末調整とは、1年間の給与所得に対する所得税の精算を行う手続きのことを指します。年末調整では、給与所得者が受け取るべき所得控除(例:配偶者控除、扶養控除など)を考慮に入れ、適切な所得税額を計算します。年末調整は、通常、12月に行われます。
3️⃣給与所得の源泉徴収票の見方
給与所得の源泉徴収票は、給与所得者が1年間に受け取った給与所得と、その給与所得から源泉徴収された所得税額を示す書類です。主な項目は以下の通りです。
給与等の支払額:1年間に受け取った給与の総額です。
源泉徴収税額:給与から源泉徴収された所得税の総額です。
所得控除等:適用された所得控除の詳細です。例えば、配偶者控除や扶養控除などがここに記載されます。
※FP3級試験練習問題
以下に試験問題とその回答を作成しました。
問題:所得税の申告と納付
確定申告とは何ですか?また、給与所得者で確定申告が必要となるケースを挙げてください。
青色申告とは何ですか?また、青色申告の主な特典について説明してください。
源泉徴収とは何ですか?また、年末調整の目的とその手続きについて説明してください。
回答:
確定申告とは、一年間の所得や控除額を税務署に申告し、正確な税額を計算するための手続きのことを指します。給与所得者でも年間の給与所得が2,000万円を超える場合や、複数の事業主から給与を受け取り、その合計が20万円を超える場合などに確定申告が必要となります。
青色申告とは、事業所得者が選択できる申告の方式の一つで、経理(簿記)の適正化を図ることを目的としています。青色申告を選択すると、様々な税制上の優遇措置を受けることができます。例えば、青色申告特別控除により、所得から650万円を控除できます。
源泉徴収とは、所得を支払う者(源泉)がその所得から所得税を徴収し、税務署に納付する制度のことを指します。年末調整は、1年間の給与所得に対する所得税の精算を行う手続きで、給与所得者が受け取るべき所得控除(例:配偶者控除、扶養控除など)を考慮に入れ、適切な所得税額を計算します。
以上が試験問題とその回答です。
これらの問題と回答がFP3級の試験対策に役立つことを願っています。